パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

2012-01-01から1年間の記事一覧

マシュルームノート 菌類の香り mushroom

キノコやカビといった、菌糸類の香りは懐かしく、後ろめたいような気分にさせる。 ここに苔や羊歯(しだ)も含めて、このにおいの思い出は、どことなく幼い秘密を含んでいる。 ==== 花や果実の明るい香りは誰でも好き・・・、そして好きだと堂々と言える。で…

鳩居堂(きゅうきょどう) 立葵の便箋 Kyukyodo

ステーショナリー好きとしては、銀座に行けば必ず立ち寄るお店、鳩居堂(きゅうきょどう)。 和の文具と香のお店である。 銀座四丁目の交差点近く、いつも品の良い年配のお客様でにぎわっている。・・・かくいう私も、品がよいかは別として、年配の客にはい…

異国の香り ボードレール Parfum exotique/Fleurs du mal

悪の華Fleurs du mal /異国の香りParfum exotique Fleurs du mal Parfum exotique Quand, les deux yeux fermés, en un soir chaud d'automne,Je respire l'odeur de ton sein chaleureux,Je vois se dérouler des rivages heureuxQu'éblouissent les feux …

ツルボの香り 蔓穂 Scilla scilloides

ツルボ、蔓穂。先週はまだあまり咲いていなかったので、今年は不作かと思ったけど。 つぼみが多かったから少なく見えたが、一週間経って咲き揃った。地面はずいぶんピンク色に染まっていた。

善光寺落雁 らくがん  rakugan

落雁(らくがん)は一見地味だが、味わいの深い菓子である。 きれいな花や動植物をかたどったものなどいろいろあるけれど、長野の善光寺落雁(ぜんこうじらくがん)は薄くて細長い、あっさりとした形である。 そのため、この落雁を噛んだときのパキっとした…

夏休自由研究「香水のできるまで」④イメージ

香水のできるまで④ 香水のイメージ さて香水はどのようにできているのでしょう? まず香水のイメージを考えます。たとえば「さくら」の香りなら、「花霞」や「儚く淡いピンク」「うすい花びら」といったいくつかのキーワードに置き換えて構成を考えます。た…

夏休自由研究 「香水」 ③ Materials

香水の原料 古い時代、初期のころの香水は「バラやジャスミン、スミレ」などの花、「レモンやオレンジ」のかんきつ類、植物から採った香料を中心にシンプルな組み合わせで作られていました。 また、「白檀」のような木の香りや、「ムスク」などの動物性香料…

夏休自由研究 「香水」 ② way of incense

日本の香り 日本には、6世紀の仏教の伝来とともに「沈香木(じんこうぼく・じんすいこうぼく)」が入ってきました。

夏休自由研究 「香水」 ① the history of the perfume

夏休みなので、学生の頃を思い出してこんなレポートを書いてみました。 PERFUME(パフューム)の語源は、Per Fumum(ペル・フムーム)。「煙(Fumum)を通して(per)」というラテン語から由来しています。 スパイスや香草などの貴重な香料を、宗教的な儀式…

つるぼ  Scilla scilloides

ツルボが咲いている。 とてもとても楽しみにしていた。小さな淡いピンクの花、ツルボ。 光によって、ピンクと紫が微妙に変化する。

夏空 新宿御苑 Shinjuku Gyoen National Garden

お盆中には朝晩の涼風にすわ秋が来るのかと思いきや、猛暑がぶり返しもう1週間。 こんな暑い日の新宿御苑は、冬枯れの時期と同じように静かだ。 雲の影がビルの上を斜めによぎっていく。

「infinity」 MIDORI YAMADA

どこか懐かしくてとても新しい、この素敵なデザインに魅せられて。 この絵を描いたMIDORIさんご本人もとてもキレイな方だが、色使いの美しさには目を奪われる。 昨年だっただろうか、アトリエで初めて拝見した時に、彼女の絵にいっぺんに虜になってし…

みしょうかん(美生柑)Citrus grandis

巨大な柑橘類、みしょうかん(美生柑)。ブンタン(文旦・ザボン)の仲間のようだ。 出先でこれは何ですか?と聞いたら、「とってもおいしいから持って行きなさい」と言われ、最初は辞退したのだがどうぞどうぞということで、この小玉スイカのような大きなミ…

ねこじゃらし エノコログサ(狗尾草)/Setaria viridis

ねこじゃらし、ありふれた雑草。 日記は毎日書くと威張ったとたんにお休みした。 今日は2つ書かねば。 そう思っているうちに夜になった。

ワサンボン(和三盆)ロール Wasanbon

スヴェニールママンの和三盆ロールと言う。M子さんが手土産に持ってきてくれた。「これ、とってもおいしいんです~」話題のスイーツ情報は、もっぱらコンパウンダーのM子さんから入ってくる。 ==== 「えー、和三盆?えー純生ー!」L子嬢、頬を染めて喜ぶ。 …

ミソハギ 禊萩 絵日記  Lythrum anceps

暦の上では秋といっても、まだ暑いアスファルトの上に、近ごろやたら目につく蝉のなきがら。 思えば子供時代に経験した最大のピンチは、八月の後半、日増しに強くなるツクツクボウシの声とともにやってきた。それも毎年、こりずに。 お盆が終わればもう、あ…

ミズヒキ 水引 Antenoron filiforme

ミズヒキという渋い草花。小学校の中の松林はいつも鬱蒼としていたが、ところどころさす日差しの中に、ひっそりとこのミズヒキが咲いていた。 懐かしい、そしてなじみの草花。

サルスベリ 百日紅 Lagerstroemia indica

サルスベリの赤い花がいよいよと咲くと、もう夏休みも終わりに近いのではないかと、小学生でもないのにどことなく淋しいというか、焦ってしまう。 この時期になると蝉の種類も変わってきて、ツクツクボウシの声がする。夜になれば「チッチッチ」とカネタタキ…

巨大メロン ふらのレッド Cucumis melo

北海道の巨大なメロン、スイカでなくて。 「ふらのレッド」というらしい。となりのコーヒーカップはデミタスだけど、それにしても本当に大きい。

走馬灯(そうまとう) a revolving lantern

小学生の夏休みの宿題に、確かに「走馬灯(そうまとう)を作る工作をしたと思う。したというか、試みたといったほうが正しい。 なぜかというと、完成しなかったんじゃないかと。 たぶん、それなりのキットのようなものだっただろうし、ろうそくの火は母親に…

8月15日

月遅れのお盆、8月15日は終戦記念日でもある。 暑く、遥か遠くは騒がしく、そして静かな一日。

小さなどら焼き もちどら 銀座あけぼの  dorayaki pancake

どらやきが好きだ。それも、小さいのがいい。 なぜかっていうと、あんこに対して皮の部分の割合が多くなるから。あんこばっかりあまっちゃうのは感心しない。 この小さなもちどらは、皮しっとりめで、中にうすく牛皮(ぎゅうひ)が入っている。もちっとして…

黒いアゲハ蝶 ナガサキアゲハ Papilio memnon

小さなシジミ蝶も可愛くて好きだけど、この大きなアゲハ蝶をみるとなんだか得した気分になる。最近はめったに見ないなあ。 大きいのでゆったりとんで見えるが、とにかくちっともじっとしていない。花にとまっても羽を休めることがないので、なかなかきれいに…

Aliceの金ちゃん マザーロード66

アリスのキンちゃん、全国ツアーの合間を縫って今日、マザーロード66を買いに来てくれました。2009年からのご愛用者さまです。 「MR66がもうなくなっちゃったんだけど、ある?」 とキンちゃん。とても評判がよくて気に入っているらしい。 「特に女性に…

日本料理「山藤」広尾店/Yamafuji Hiroo

「もし私がとても料理上手で、家できちんと食事を作れるなら、毎日こんなごはんが食べたいな」というような、上等の家庭料理のお味。とっても洗練された「おうちご飯」とでも言おうか。 そうはいっても家じゃできない技なんだよなあ・・・。 広尾にある和食…

神宮外苑花火大会2012/fireworks Gingu-gaien

ライトアップされた東京タワーをバックにした、神宮外苑の花火大会、2012。 「夕方6時半にきてちょうだいね」そう言われてアトリエを出た時はまだ空は明るい。 ==== 花火が始まるまであと1時間。そのころには真っ暗になるのかあ・・・。やっぱり秋めいてきた…

団扇(うちわ) /秋扇(しゅうせん) Uchiwa (Japanese fans)

まだまだ暑いのに、8月7日の立秋を過ぎたら、急に日差しが秋めいて感じられる。 これは可愛いうちわのお菓子。中に牛皮(ぎゅうひ)が挟んであって、外は軽い薄焼のもなかのような生地。 しっとりぱりっとおいしい。銀座あけぼのの和菓子。

6枚花弁のあさがお 朝顔 morning glory

これは、色とかが「朝顔」のイメージ。 言葉の音には対象物の本質を決定する要素があるけれども、文字の見た目にも一定の印象があると思う。 口に出せば同じでも、書いたときに、朝顔と、あさがおと、アサガオ、ではイメージが変わるようだ。

フルーツサンド 銀座千疋屋/GINZA SEMBIKIYA

銀座千疋屋(せんびきや)でフルーツサンドを買う。 この小さな箱にぎっしり感がいい。ターコイスブルーの箱のデザインも、昭和のレトロな雰囲気で、そこがまたよいのである。

四人の泥棒の酢  Vinaigre des quatre voleurs

伝染病で人が死に絶えた家。 誰はばかることなく中に入って荒らす四人の泥棒たちがいた。なぜ彼らは病気に感染しなかったのか。 中世ヨーロッパでは繰返しペスト(黒死病)が流行し、多数の死者が出た。まだ病気の原因が目に見えない細菌やウィルスだとわか…

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