パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

多様なジャンルを香りでフォーカス

食と香り、音楽と香り、アートと香り、グルメなお店、休日読書など、様々なジャンルを、調香師が香りを通して表現します。

ソラマメのにおい(天豆・蚕豆・お多福豆)

採れたてソラマメ(天豆・蚕豆・お多福豆) 旬の味 知人から、自家菜園で採れたてのソラマメ(蚕豆)を頂きました。毎年この時期になると届けられる「旬(しゅん)」の野菜です。 鞘(さや)から出したばかりのソラマメは、内側のフワフワの白い綿毛がまとわ…

ヘルマン・ヘッセ 庭仕事の愉しみ

ヘルマン・ヘッセ 庭仕事の愉しみ ヘッセの絵と詩と植物と 文豪、ヘルマンヘッセが庭を愛し植物を育て、絵を書いていたという一面は、大人になって知りました。 こうした庭の景色など、情景描写ももちろん素晴らしいのですが、挿絵の、ヘッセの愛らしい水彩…

私のお守りネックレス マリアチャーム

私のお守りネックレス マリアチャーム 以前はキラキラ光る石の入ったペンダントもしていましたが、最近のお気に入りはこのマリアチャーム。横顔に気品があって、さりげなくつけられます。私は気が付くとネックレスを触っていることがあります。それは、心を…

「秘密の花園 」The Secret Garden バーネット

「秘密の花園 」The Secret Garden バーネット 大人の童話 「秘密の花園」は、児童文学という枠を超えて、大人になっても繰り返し読みたくなる本です。 思いだして久しぶりに手に取りました。 私が植物好きなことを知ってのことでしょう。 友人が、 「今まで…

速歩にて、住宅街の花めぐり

住宅街の花めぐり 速歩にて 外は初夏の気配。 先週、人気のない時間と場所を選んで速足(はやあし)でウォーキングしたときのことを書いています。 外出自粛で運動不足気味になってしまうこの頃。 このあたりは起伏が多いので、速歩、並足の緩急をつけて、階…

チロリン村とクルミの木 コンキリプー

チロリン村とクルミの木 NHKのこども番組 この古いトランプも、先日の漢字博士№2と一緒のお宝箱に入っていたものです。週末を使って引っ張り出してみました。 ブランコに乗っているのは、NHKのこども番組、「チロリン村とクルミの木」という人形劇に出てくる…

おうちで遊ぼう「漢字博士No.2」 知的ゲーム

おうちで遊ぼう 漢字博士No2 知的ゲーム

新宿御苑にピクニック

新宿御苑にピクニック たけのこご飯弁当 3月の声を聞けば春の気分、新宿御苑にお弁当を持って散歩に行きました。 子供の頃、春になるとタケノコを大鍋でゆでて、たけのこご飯が用意されたものです。 真新しい木を蒸(ふか)したような、ほくほくとしたタケノ…

おもしろみ。

花びらが複雑な動きをして落ちてくる。 手でつかむ。 手を開くとまた風に飛んでいく。 花びらがほしいわけではなく、「動きを捕まえてみる」と言うことが面白いのであって、つかんだものはまた離してやる でなければ次の花びらを捕まえることはできない。 あ…

9月4日、クシの日。祖母の櫛  comb

9月4日、今日は櫛の日(くしのひ) 祖母の形見の螺鈿(らでん)の櫛 思いついて父方の祖母の形見の櫛 を出してみました。私ははまぐりの螺鈿 (らでん)が気に入って、お茶会によく挿して行ったものですが、髪をショートにしてから出番がなくなりました。 さ…

私の香りの学び方 Lesson

スメリングの効用 茶色の小瓶の蓋を開け、ムエットの先を浸します。 香料の名前は見ずに香りを嗅ぎ、先入観にとらわれず香りの特徴をさぐっています。 千里の道も一歩から、日々の積み重ねが大切ですね。 「香の十徳」に、「静中成友 塵裏偸閑(せいちゅうせ…

スケルトンの腕時計 VAN CLEEF & ARPELS Watch

美しい機械時計の魅力 スケルトンの手巻き腕時計 私がいま持っている腕時計はみなゼンマイで動いています。 時計の美しさは機能美です。その最も大切な部分を見せたのがスケルトン。この時計は表だけでなく、シースルーバックになっています。 時計マニア、…

「香りの記憶」旅の終わりには Heaven Note

香りの旅に出る 「香りの記憶」 何かの折に、「枯れた草の混ざった芝生のような、青臭さとひなびた匂い」が一瞬よぎる。 それはまったく脈絡(みゃくらく)なく、小学5年生の、夏の臨海(りんかい)学校の一場面を思い起こさせた。 『枕をかかえて広い座敷の…

Mizunara-ミズナラ- 水楢の木を探して 番外編

Mizunara-ミズナラ- 水楢の木を探して 番外編 山菜天ぷらそば 2018年の5月、赤城山にミズナラ林を訪ねた時のことである。書きかけのまま置いてあった原稿をまた思い出してゆるく書いている。(そのため文体が最近のものとちょっと違う) 雨の中、葉の開いた…

すみれの刺繍カード violet mandshurica_1

あるひ、お客様から一枚の葉書が届きました。アトリエの私の机の上に乗っていたそのカードにはスミレの絵が描いてあります。何気なく手に取ってよく見ると、それは絵ではなく刺繍(ししゅう)です!

スイスレースの白いハンカチ‗handkerchief

スイス、チューリッヒの空港でスイスレースのハンカチーフをお土産に購入しました。 昔から白地に白のレエスとか、白地に白の刺繍入りも好みで、 『でも和光のショーケースに並ぶ、繊細なスイスレースのハンカチーフにうっとりとみとれつつ、お値段にため息…

木綿のハンカチーフ handkerchief

「木綿のハンカチーフ」こんなお題の名曲があったが、その話ではない。 ハンカチは白がいい。それも、メンズの大きめのハンカチが好きである。織り模様はあまり凝っていないものがよい。 次に、白地に白のレエスとか、白地に白の刺繍入りも好みである。若い…

古い腕時計 ROLEX watch

ロレックスのヴィンテージ・レディスウォッチ 私のお気に入り 1.5センチ角くらいの、古い腕時計である。小ぶりのケースで、龍頭(りゅうず)と尾錠(びじょう)にクラウンのマークが入っていてとても可愛らしい。 ひと昔前は、ロレックスはメンズというイメ…

秤(はかり)と分銅(ふんどう)weight

見た目はチェスの駒(こま)、ルークみたい。 アンティークショップを覗(のぞ)いていて見つけた真鍮(しんちゅう)製の塊(かたまり)。 デスクの上のペーパーウェイトになり、手のひらにすっぽり入りそうな。。。雰囲気のあるものをずっと探していた。お…

昭和の夏 Showa

それは夏の暑い日、小学校から帰宅する電車内のできごとである。吉祥寺と渋谷を結ぶ、私鉄・井の頭線のその時間はまだ混んでおらず、立つ人もまばら。古い車両の天井には、扇風機がハタハタと回っていた。何度目かの駅で、ドアから白い蝶がふわりと迷い込ん…

空蟬(うつせみ) ecdysis of a cicada

7月上旬、通勤途中の道路に脱皮したばかりの蝉(セミ)を発見する。 歩道と車道を隔てるように並んだ、コンクリートの円柱の途中にしがみついていた。 まだ羽の脈が淡い緑色をしていて、ゆうべ生まれたばかりのようだ。目が黒々としてあどけなく見えるのは、…

Mizunara-ミズナラ- 樹木鉛筆

アトリエの大きなテーブルにいつも出しておくペンが壊れてしまったので、代わりの筆記具を何にしようか、お茶の時間にみんなで考えていた。お客様がいらしたときに、安っぽいペンを使っていただくのは嫌だね、とかいいながら「鉛筆はどうだろう」という話に…

懐かしのタイプライター typewriter

「赤いバケツのオリベッティ」そんなキャッチフレーズが蘇(よみがえ)る。タイプライターの形の、これはロール型のメモ帳入れなのである。アトリエの近く、「六本木AXIS(アクシス)ビル」の1、2階には素敵な輸入インテリア雑貨のお店がある。そこで見つけて…

花まつり 休日の銀座にて Buddha's Birthday

母の使いで、銀座に来ています。和光に時計を預けて待つ間、銀座鳩居堂(きゅうきょどう)にお線香を買いにきました。お店の前にお釈迦様が鎮座(ちんざ)されていたので、甘茶をかけてお祈りしました。今日はここへ来る前にも、近所のお寺を通りかかり、そ…

雛まつり Hina-matsuri Girl's day③宴(うたげ)の後

官女A「あー、やれやれ、くたびれた。髪ボサボサで、セットにも行きたいわ~」 官女B「どうせもう人に見られることもないんだし、来年のお出ましにはどうせ寝ぐせがついちゃうわよ」 宴の後、また一年の眠りにつく雛人形 たち。楽屋で笑いさざめきながら従者…

ひな祭りHina-matsuri Girl's day②

これは三上戸(さんじょうご)の、泣き上戸君。そのほかに、笑い上戸、怒り上戸くんがいる。小さいころ兄にいじめられて泣くと「やーい、泣き上戸め~」とからかわれたものである。 三人官女は、お姫様のお輿入れ(こしいれ)に随行してきたお付きの女官。後…

ひな祭りHina-matsuri Girl's day

昨年引っ越した新しいアトリエにお雛さまを飾った。2年ぶりである。子供の頃は母親が飾ってくれたものだけれども、自分で並べるようになるとつい出しそびれてしまう。2月が短いこともあり、ひな祭りは3月に入ってすぐであって、気が付いたときにはあまり日が…

海と空と星 The Arecibo message

私はたった一人孤島にいて、いつくるかわからない船を待ち、ガラス瓶に手紙を詰め海の遠くに投げている。 それはアレシボメッセージ。 何万光年の向こう、もし誰かが見つけた時はもうこの島はない。 本当は誰だって、感じやすく繊細なこころを持っているのに…

椅子の張替え 渋谷 DIY

年末の30日、ミッドタウンで知人とランチ中に急にアトリエの椅子の張り替えを思い立つ。渋谷のTOAが近いのではと教えて貰い、今日までやっているらしいということで、六本木から渋谷行きの都バスに乗って布地を買いに行った。 2020年のオリンピックを目標に…

サザンカ 山茶花 Camellia sasanqua

夜道につづく常緑の生け垣は、暗い葉の海。 山茶花(さざんか)の花が、白い波頭のように次々と、ぼんやりと浮かんでいる。思い思いの、いくつもの表情で。かたくななつぼみ、横顔、または蕊(しべ)もあらわに。 足を止め、その頤(おとがい)に手をかけて…

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