パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

善光寺落雁 らくがん  rakugan

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落雁(らくがん)は一見地味だが、味わいの深い菓子である。

きれいな花や動植物をかたどったものなどいろいろあるけれど、長野の善光寺落雁(ぜんこうじらくがん)は薄くて細長い、あっさりとした形である。

そのため、この落雁を噛んだときのパキっとした歯ごたえが特に魅力で、その後は口の中でほどけるように溶けていく。

これは行儀よく手で折って食べたのでは美味しさが半減してしまう。
(しかし歯が丈夫でない人はかじるのはやめたほうがよかろう。)

善光寺落雁は赤豌豆の粉、同じく長野の小布施堂の栗落雁も似ているが栗粉でできている。

どちらも香ばしくて力があるので、抹茶より気楽な番茶やほうじ茶などと戴くのが美味しいと思う。

 

 

遠い記憶によれば、小学校の頃正月になると、大きな紅白の菊の落雁を神社からもらってきたように思う。
大きさは直径7センチくらい、白い箱に二つ並んで入っていた。
あれ?運動会のおみやげだったかなあ?

表面がふにゃふにゃと柔らかく、噛むとキチキチと音がするような粉っぽい甘さだった。
甘いものが欲しい年頃なので食べるには食べたけど、あんまり好きではなかった。。。


 

そんなわけで敬遠気味だったが、大人になってあらためて上品な和菓子店の「落雁」なるものを食べたとき、イメージが変わった。

日持ちもするし、ほんの一口お茶受けが欲しい時に置いてあるととても嬉しい。

軽井沢のおみやげ、善光寺落雁

 

 

 

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