パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

夏空 新宿御苑 Shinjuku Gyoen National Garden

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お盆中には朝晩の涼風にすわ秋が来るのかと思いきや、猛暑がぶり返しもう1週間。

こんな暑い日の新宿御苑は、冬枯れの時期と同じように静かだ。

雲の影がビルの上を斜めによぎっていく。

明るいからこそのコントラスト。
こちら側とあちら側の間に、くっきりと際立つ光と翳の境界線。

 

木立からときおり通り抜けるゆる風にほっとするものの、この先をじりじりと照りつける強烈な日差しに、次の一歩を進めるのがためらわれる。

 

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日照りを避け、木陰をできる限り選んで池のほとりを歩く。

水面はじっとうごかない。
まるで熱気が膨らんで、池に蓋をしたかのようである。

さやさやと波立たせる、ひそやかな秋の訪れにはまだもうひととき待たねばならぬ。

 

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橋の欄干にカナヘビ(トカゲ)が、息をひそめて私の通り過ぎるのを待つ。
突然現れた人間の姿にすくんでしまったのか。

そういうこちらも思いがけぬ遭遇に、かえって気付かぬふりをして、ゆっくりと橋を渡りながら、目だけがその鈍色(にびいろ)に光る背を追う。

はっと思いカメラを構えた時は小走りに、カナヘビは、たもとの茂みに消えていった。

 

 

Shinjuku Gyoen National Garden

 

 

 

 

 
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