・秋の花・植物
「桂(かつら)の木の枯葉は甘辛い、しょうゆの匂いがするんですよ」 半年以上前になるだろうか。生徒さんがビニール袋にカツラの落ち葉をたくさん入れて持ってきてくれた。なるほど、パリパリに乾いた落ち葉からは、ほんのりあまじょっぱいようなにおいがす…
もう、路地のほうは終わってしまったが、少し前に活けたブルーサルビアの花が青くてきれいだったから、いまさらではあるが、アップすることにした。 昔は公園や家の庭に咲くサルビアと言えば、真っ赤な花のイメージだったけれど、薬用サルビア、すなわちコモ…
秋の七草のひとつ、フジバカマ(藤袴)である。 はじめつぼみは濃い小豆色だったものが、開くと淡くなり、ピンクのフワフワした雲のように見える。 この日、京都での催事の前日夕方に、少しだけ会場の近く東山界隈をブラブラする。台風の前で天気はあいまい…
秋明菊(シュウメイギク)は白がよい。 キク科ではなくキンポウゲ科の植物で、その姿は同じキンポウゲ科のアネモネやニリンソウなどを思わせる。 今日、10月8日の誕生花は「秋明菊」。シュウメイギクと口にすれば音も心地よい。 すっきりと伸びた細い首の上…
春と秋の彼岸と、父の命日、お盆。年に4回は墓参にくる。そのお寺で二年前に発見したのが「シキミ(樒)」。春に行けば花が、秋に行けば実が見れる。この写真はまだ木についている、緑色のぷっくり丸い、シキミの実。 シキミの別名は「ジャパニーズ・スター…
ようやくギンナンの新物が出る季節になった。それは秋の始まり。 まだ青いギンナンの素揚げしたものを、熱いうちにパラリと塩を振ってひと粒つまむ。噛むとねっちりと歯ごたえがあり、塩味と油のコクでほろ苦さが引き立ってうまい。 子供のころは、茶碗蒸し…
キンモクセイとギンモクセイ キンモクセイの香り 金と銀、一緒に見れるなんておめでたいね。 「暦の上では秋」と言われても、暑い毎日が続いていると、秋がいつ来たのか忘れているもの。 毎年この時期になると、通学、通勤途中にかすかに匂ってくる金木犀の…
お彼岸でお墓参りに行った。母の手を引いて歩くと、足元にコロコロと、ぷっくり膨らんだ変わった形の木の実が落ちている。 あ、シキミかな? と思って上を見上げると、樹にたくさんなってる。 わりに大きな実で、2.5センチはあろうか。 今回シキミと気が付い…
栃の花は春に咲く。 そして実は秋に。 地面に落ちていると、大きいのでとても目立つ。 中には殻が割れて、つやつやした実がのぞいているものもある。 心楽しく、思わず拾ってしまうが、これはトチノミの魔力?魅力だそうである。 栃の実を見ると、拾いたくな…
ツルボ(蔓穂)が咲くのを待っていた。 夏は暑いうえに花が少ない時期で、新宿御苑から自然と足が遠のいてしまう。 夏休みの終わり、ようやく秋の気配が訪れたころ、その花が咲き始める。 妖精に会いにいく。 細い茎の上に花穂が立って、つぼみの頃はつくし…
センニンソウ。 クレマチスの仲間で、つるでどんどん伸びていく。 センニンソウは、花びらは細いものの、クレマチス・モンタナスノーフレークにもちょっと似ている。私の好きな花。 これを夏の花に入れるか、秋の花に入れるかいつもちょっと迷う。 8月という…
新宿御苑の菊の展示が始まりました。 今まで年に2回ほど、数人で新宿御苑に季節の花を見に行く「ゆる散歩」をしてきましたが、この秋も11月7日に「菊花展」と「バラ園」を見に行く会を行ないました。 スクールの公式イベントではありませんが、この日来れる…
ある朝、開園と同時に新宿御苑に行ったら、柵(さく)の上にどんぐりが並んでいた。 誰が並べたのだろう? たぶん、この道は私が朝いちばんに通ったのだと思うから、前の日からあったに違いない。 風に吹かれて、一晩中、立ち続けることなんかできるのだろう…
うわっ!超巨大アスパラガス! どのくらい大きいかというと、2メートルくらい? でもこれは、アスパラガスではなくて、ユッカという植物。 アメリカ南部の乾燥地が原産らしい。 しょっちゅう咲いているような記憶があると思ったが、やはりバラと一緒に春と秋…
カラスウリの赤い実が冴えてくると、もう冬が近いのだと感じる。 この色を見つけると、ときめいて近寄ってみるものの、一瞬後には哀愁を帯びて見える。 玉章(たまずさ)という別名がいい。 気がつけば陽はすっかり柔らかくなり、夜が早くやってきた。 窓の…
ホトトギスという花と、スズメガという虫。 どちらも鳥ではないけど、鳥の名前のついた植物と昆虫のとりあわせ。 虫が苦手のひとにはダメかもしれないけど、 よくみれば目が愛くるしくて可愛いし、働き者ぽい忙しさは、私としては好感度は大。 この蛾は、飛…
私の覚えでは「アオスジタテハ」なのだけれど、「アオスジアゲハ」というのが正しい名前らしい。幼虫はクスノキの葉を食べるとか、この蝶はよく森の中で見る。 夏の間、敏捷に飛び回っていたアオスジアゲハ。 嵐の去った秋のある日、散歩をしていると、目の…
アカトンボがたくさん飛んでいる。これは、枇杷(びわ)の木にとまって日向ぼっこをしているトンボ。 水辺にはやはりたくさんのトンボが飛んでいる。ロープの上で並んで休憩。 これじゃ、前のトンボのお尻しかみえないでしょう。 夏の終りには青い、シオカラ…
シリブカガシなんて、名前がヘン! ドングリのへたの中がへこんでいるから、尻が深いんだって。 暖かいところが好きなので、京都が北限と言われているけど、新宿御苑にはあった。 ここ、日あたりがいいし。 となりにあるのはシリブカガシの花。一年かけてド…
静かな夜の間にはった大きな蜘蛛の巣。 藪(やぶ)をかきわけて入れば、葉の裏に休んでいた小さな羽虫がいっせいに舞う。蜘蛛の巣が捕まえる。 朝の均衡を破った、私の足音。 この木は、私が生まれる前からここにあり、死んだ後もここに残る。 私たちが彼ら…
春の妖精に対して秋の妖精、オータムエフェメラル(autumn ephemeral)。そんな言葉があるのかしら? 春夏秋冬、現れては消えていく花の妖精たち。 妖精を捕まえることはできない。 ただできるだけ長くそばにいてもらいたいと願うだけ。 美しい四季の移り変わ…
カジノキ(梶の木)のオレンジ色の実がなっている。 はじめは花に見えたのだけれど、春先にもこの木には花が咲いていたはずなので、形の異なる花がまた咲くとは不思議なことだと思った。 調べて見るとこれは花ではなく果実で、このオレンジのつき出た柔らか…
キンモクセイの香り 新宿御苑の新宿門を入ったあたりからすでにキンモクセイの匂いが漂ってくる。 新宿御苑にはキンモクセイのある場所はいくつかあるが、これはきっと、母と子の森にいく途中にある大きな木に違いない。 そう思って、広場を横切る道を森へと…
晴れた秋の朝、ツクツクと遠く近く、蝉が鳴く。 耳をすませば、秋虫の音に重なって、たくさんのドングリが、コツンコツンとひっきりなしに落ちてくる。 人が人を取り戻す。 箱の中では、私は生きていない。息をして動いていても、それは生きているのとは違う…
「ヒガンバナ(彼岸花)を庭に植えるものではない、あれはお墓の花だから。」 そういわれても、気にせずに庭に植えたことがある。 若い頃は、ときに自分の中の「善」に不満を持つ。または挑戦的な気持ちがあって? ただ綺麗だったからかもしれない。 ヒガン…
ハギは、秋草だけれども、花の形をよく見ると、藤やエニシダ、ムレスズメなどによく似ている。 豆科特有の形だ。 萩の木は細い枝が地面からブッシュのように伸び、分枝した先に花が咲いている。 花に会う日がいつも風のある日なのか、枝がしなり易いせいなの…
臭うな~と思ったら、9月だというのに、もうギンナンが落ちている。 それも、りっぱな大きさ。 結構、たくさん落ちているな~。 踏んだら靴の底が臭くなるので気をつけて歩く。 でもギンナンの落ちてくるのって、11月とかじゃなかったかな? 最近では植物の暦…
ツルボに会いたい。 朝のうちにひと仕事を終えて、イソイソとアトリエを出る。新宿御苑の九時の開苑時間にちょうどついた。 もう、ここは自分の庭のごとく熟知しているつもりだが、「どういうルートで行こうかな?」と考えながら案内板を見る。 ツルボは一番…
ギンモクセイの花が満開 はじめに数輪が咲いているのを発見したのが9月3日だから、もう10日以上。 満開までいがいに長くかかったのは、お天気が悪かったからだろうか。 うっすらとしたクリーム色の花が、朝の日差しに爽やかに見える。花に近づき過ぎると、か…
今年のギンモクセイ、銀木犀がもう咲いている。 この写真は9月3日のもの。 ここ、新宿御苑にはキンモクセイ(金木犀)とギンモクセイの群生している場所がある。 「まだ早すぎるなあ」と思ったが、一応そばを通ってみると、なにやらいい匂いがする。あれ?…