・春の花・植物
ボリジと白ワイン borage 思いがけない贈り物 お天気の良いこの日、ポストに、エレガントな装飾の封筒が入っていました。 「ふっくら厚みがある。なにかしら?」 素敵な予感に封を開けてみたら、カードと共に朝摘みのボリジの花が、薄い紙にそっと包まれて出…
オリヅルスミレ、Viola stoloniflora 絶滅種 オリヅルスミレ、Viola stoloniflora 「野や山が近くにあれば、大地からの気をもらってもっと元気になれるのになあ」 と新宿御苑のお花の写真を眺めながら、できるだけその時の気持ちを味わおうとしています。 こ…
馬酔木(アセビ)とドウダンツツジ よく似た花 この二つは、見比べたら明らかに違うのだが、ひとつづつの花が似ていて、花房が下がるところなどから毎年混乱するのが常である。 アセビはブドウの房のようだし、ドウダンツツジは花火のように傘状に花を下げる…
すずらん ミュゲ Lilly of the valley すずらんシーズン お花屋さんでスズランの鉢を見つけ、春のウキウキ気分とともに衝動買いをしました。 涼し気なグリーンフローラルの香りがします。 毎年、5月になると新宿御苑に鈴蘭を見に行くのですが、生花店には3月…
「あのみごとな藤棚(ふじだな)はどうなっただろう」と懐かしく思い浮かべている。アトリエが六本木に越してから、すっかり新宿御苑から縁遠くなってしまった。 しかしよくしたもので、今度はアトリエの近くの路地をちょっと入ったところの家の塀ぎわに、流…
丸裸だった大使館の壁に、ある日、針のようにちいさな突起があると思ったらみるみると膨らんで、次の日には小さな葉が開いています。薄茶色のもやのようだったあたりは、すでに生き生きとした緑に覆われて、春の開きはめまぐるしくて、嬉しいやら哀しいやら…
サクラはぱっと咲いてぱっと散る、というイメージがあるが、サクラのさく季節は思いがけず長い。 秋に咲く十月桜(ジュウガツザクラ)は別としても、2月に咲きはじめる寒桜(カンザクラ)から始まり、3月河津桜(カワズザクラ)、4月に染井吉野(ソメイヨシ…
日曜日、よく通りかかるお寺の門の奥に、風情のある枝垂桜(しだれざくら)をみつけ、初めて中に入ってみました。東京の真ん中とは思えないような雰囲気です。しだれ桜には新宿御苑のように、ソメイヨシノよりも早く咲く種類もありますが、おおむね一拍遅れ…
エニシダ(金雀枝)、ジュネ(Genet)、またはブルーム(Broom) エニシダの香気成分 朝、アトリエの階段を上がると、リナロールや、ローズPとかゲラニオールと言ったさわやかなフローラルグリーンの香りに迎えられる。 数日前にエニシダの鉢を買ってきて、…
この1週間は通勤の道順を少し変えて、ソメイヨシノを満喫しています。 スペイン坂を横目に、泉通りを歩いて10分ほどのさくら並木がつづくこの道は、人がまばらで静か。週半ばに一気に満開となり、穏やかな風に花びらがひらひらと髪に落ちてきました。 あんな…
たぶん、この桜は陽光(ヨウコウ・Cerasus 'Yoko')。ソメイヨシノよりも少し早く咲き始めました。 地下鉄「六本木一丁目駅」からアトリエまで歩く道、グランドタワーの横に、「なだれ坂」という坂があります。 あっと気が付いたら濃いめのピンクの桜並木が…
このスイートピーはエンドウマメや原種に近い。園芸種に比べて花びらがシンプルで小ぶりである。香りは強い。少ししつこいほどのグリーンハニー。 スイートピーは、つまりスイート(甘い)なピー(豆)、マメ科の花。麝香豌豆(じゃこうえんどう)という漢名…
ヘリオトロープの花 春の花 濃い紫のヘリオトロープ。通勤途中に通りかかる植え込みには、春の草花が次々と咲いている。 少し前にはラッパスイセン、クリスマスローズ、パンジーなどだったのが、最近ヘリオトロープとミヤコワスレのようなブルーの菊が仲間入…
山茱萸,さんしゅゆは,「はるこがねばな」ともいうらしい。ひとつずつは地味な花であるが、まだ緑も少ない野にふんわりと明るい黄色が花開くと、いよいよの春に心が弾む。 この時期は春の華やかな切花も多いけれど、むしろ枝ものの花に魅(ひ)かれる。 ユキ…
ミモザとアカシアの違い 「国際女性デー」ミモザの日のプレゼント おととい、ミモザの小さい花束を頂いた。明るい黄色のそのかわいらしさにほっこりする。お部屋に春がやってきた。 そのときはうっかりしていたのだが、3月8日はミモザの日。FESTA DELLA DONN…
沈丁花の香り 暗いほど嗅覚のコンシャスが高くなるのだろう。このところ夜道を歩いていると、甘酸っぱい沈丁花(じんちょうげ)の香りが遠くから匂ってくると感じていた。爽やかなグリーンフローラルで、シトラス調のローズ系メタリックの香りは、夜に甘さが…
アオモジ(青文字)とケイオウザクラ(啓翁桜)を一緒に活ける春のアトリエ。買ったときはまだつぼみばかりで、小さな青い実にも見えた。今日はもう、はじけるように中から黄色いしべがのぞいている。 春先の「枝もの」として花店によく並ぶアオモジ。ひとつ…
啓翁桜(けいおうざくら)は、お正月明けくらいから、たぶん、お花屋さんで一番最初に出回る桜ではないだろうか。 だんだんと日が長くなってきて、春らしい日差しに、こころなしか気持ちが明るくなってくる。 出先から急いで帰る道、思わずいつものお花屋さ…
春の日差しが木立を透かし、花の毛氈(もうせん)にまだらな光を落としている。 ときおり風にゆすられて、あたらしい花びらがまたひと群れ、ふた群れと積もっていく。 冬が、いよいよ遠ざかっていく。 ソメイヨシノの時期は去り、代わりに八重桜が咲き始める…
「なのはな」はとても親しまれている春の花だ。 葉の若い頃はお浸しにして食べたり、花を鑑賞したり、種を搾ってナタネ油とする。 食用にする頃は「アオナ」といわれ、花が咲くころは「菜の花」と、そして種子ができれば「ナタネ」と名が変わる、まるで出世…
今日はどこもかしこも桜が満開。 雨の後の、しっとりとしたぬるい空気に、はや花びらのちらほらと散る夜。 市兵衛町の方から六本木一丁目駅の横を通り、スペイン坂、桜坂へと、アークヒルズを囲むように続く桜並木をぶらぶらと歩く。 あんまりきれいすぎて哀…
フリージア(freesia)は昔からある、お馴染みの春の花だ。 黄色いフリージアが居間に飾ってあると、「春が来たな~」と子供心に嬉しかった。また香りがとてもいいのでとても印象深い花である。 最近では品種改良がすすんだのか、花色も増えたし大きくなった…
新宿御苑の大きなシダレザクラは、ソメイヨシノに先駆けて春の庭を飾る。 今日はまだ咲き始めたばかりなので、カメラを持った人たちもまばらである。 春の嵐にはまだ早すぎるのに。 花は乱れ髪のように揺れ、根元に群れ咲く白い水仙も身を伏せている。 その…
これは、1月20日のヨモギ(蓬)。 ちょうど、福寿草が咲き始めるころ、地面にぴったりと這うように生えていた。 で、3月15日に同じ場所に成長度合いを見に行ったら、たいして大きくなっていない。 生えるたび採られて、草餅にでもされちゃったのかな? 草餅…
新宿御苑には桜の木が約65種1100本あるそうだ。 多いのはやっぱりソメイヨシノ。広い芝生の庭をソメイヨシノが取り囲んでいる。 春はむしろ曇りの日の方が暖かい。しっとりと水気を含んだ大気の向こうに、つい先ごろまで細い枝先を黒々と震わせていた桜の木…
クロモジ、黒文字の花。 毎年この時期になると、散歩の途中には必ず見に行って、蕾が咲くのはいまかいまかと心待ちにしている。 直径1センチに満たない小さな花の集まりだけれども、白いうぶげの生えた葉の若い緑が映えて、遠目でもよく目立つ。 過去のブロ…
今日は冷たい雨が降っている。 「三寒四温」の三寒の方、こんな日の新宿御苑は人がすくない。 池のほとりにはだれもおらず、次々とちいさな輪が広がっては消える様子を、ひとり飽かず眺めている。 「するべき」「せねばならない」「やめるべき」「してはなら…
高校生の頃からこの花が好き。毎年春になると、母は白と紺の染付の小ぶりな壺に、たくさんのアネモネを活けていた。 桃、さくら、たんぽぽ。どちらかといえば春はふんわりした黄色やピンクの花が多いようだが、そんな中でアネモネのはっきりとした色合いは新…
アスファルトの道路の脇にも、菜の花が咲いている。 もこもこと鮮やかな緑と黄色のコントラスト。 3月12日は、伊藤静雄の命日「菜の花忌」。 伊藤静雄は中原中也らとともに同人誌で活動した詩人で、三島由紀夫にも影響を与えたという。 正直この人の名はあま…
ハチジョウキブシ。 毎年この時期に新宿御苑に行くと、広がる芝生の向こうに、薄緑色の鎖のようなものがシャラシャラと揺れているのが、まだ花の少ない景色によく目立つ。 もう少しすると、樹の下はレンギョウの黄色と、雪柳の白で覆われ、この地味な花は目…