パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

photo poem/写真詩

おもしろみ。

花びらが複雑な動きをして落ちてくる。 手でつかむ。 手を開くとまた風に飛んでいく。 花びらがほしいわけではなく、「動きを捕まえてみる」と言うことが面白いのであって、つかんだものはまた離してやる でなければ次の花びらを捕まえることはできない。 あ…

四季 冬 ginco

錦秋(きんしゅう)もやがて枯れはてぬ かさこそと足元に吹き寄せる落ち葉に 侘しさをつのらせる庵(いおり)の冬よ 寒さに凍え縁(ふち)より黄金色(こがね)に染まる銀杏の葉 末広のかなめの緑(みどり)に枝の未練か うち伏して地に哭(こく)するも ひそとして…

ラプソドス Rhapsode 詩を編むもの

香りは「言葉」であり 香水は「詩」であり 調香師がなにかといえば 「詩を編むもの」である。

夜に dans la nuit

夜に、駅の土手から、湿った、藁(わら)のような、枯れてひなびた、土の、青い芝生の蒸れた、夏草の、露を含んだ闇の匂いがして、これは、地下の微生物の匂いであるから、日本固有の、懐かしい、胸騒ぐ夜の香り。

ビー玉 Marble

若いころの恋なんて、お宝箱の中にしまってあるビー玉のようなもの。 とりだして眺めて懐かしく思ってみても、またそれで遊んでみようなんて気にはならない。

朝日の中で  rising sun

朝、暗いうちに目が覚める 東の窓が少しずつ明るくなってくる 陽が射してくるのだ

異国の香り ボードレール Parfum exotique/Fleurs du mal

悪の華Fleurs du mal /異国の香りParfum exotique Fleurs du mal Parfum exotique Quand, les deux yeux fermés, en un soir chaud d'automne,Je respire l'odeur de ton sein chaleureux,Je vois se dérouler des rivages heureuxQu'éblouissent les feux …

泣こう

四方から受けるストレス 何気ない言葉がきつく感じる 私だけが頑張っている そんな固く締まった冬の心

ゆき

天使は堕ちて跪く あなたの足元に 踏み躙るがいい 朽ちて還るから written by satori 2002 ▶ ユーチューブ パルファンサトリのアンティークコレクション1 ▶ ユーチューブ パルファンサトリのアンティークコレクション2

クリスマスの朝

クリスマスのつめたい朝 池のほとりを歩いていると まばゆい光が射してくる 水の上のちいさな波のひとつひとつが ダイアモンドのようにキラキラ、キラキラ 歩くたびに形を変えて 光の波が寄せてくる キラキラ、キラキラ

光と影

あの日私は水辺におり明るい日差しの中にただよっていた

雨のにおい

季節ごとにやってくる雨には、季節ごとのにおいがする。

幸せとよろこびに生れつく人あり

終わりなき夜に生れつく人もあり

夜明け

たとえば車内から景色を見ていると、近くのものほど早く流れ去っていく。

ジョウビタキ 雄

男は背中で語るもんだぜ。

フランスの薔薇

▶ ユーチューブ動画 ここをクリック 「フランスの薔薇」ムービー 薔薇の詩(uta) (一) パリの薔薇は 冷たく少し甘く 拗(su)ねてみせる (二) 薔薇の褥(shitone)に 午後の陽は眠くかかり もの憂げな匂いをひらく 蕊もあらわに (三) はい,私はたしかに 「…

風とデージー

風が運んできて、おいて行った。 明るい、春のひざしだけ。 ふわふわのセーターの長い首から 顔を出して デージーは一つ、くしゃみをする。 ▶ 花事典 ユリオプス・デージー: キク科 キク属 学名:euryps pectinatus

クリスマスに夢を見て

恋人たちはクリスマスに夢を見る

香水の絵本 Louise de Vilmorin ルイズドビルモラン

グラースの香水博物館に行った時、ミュージアムショップで可愛い絵葉書を見つけた。ポエムがそのまま花の絵をかたどっている。どこかで見たような・・・?日本に帰ってきてから、洋書の本棚を探してみた。

南仏の小さいともだち 44

南仏の小さいともだち 小さなお客さんが処方箋の上を横切っている。忙しく足を動かして、

香りを追いかけて

香りを追いかけて しっかりと栓を締めても、香りは少しづつ少しづつ逃げていく。 どんなに大切にしていても思い出が時とともに褪せていくように。 私は手にとって蓋をあけ、ムエットの先を浸す。吸い上げた僅かな液体から立ち上る香り。 例えば、初め涼しげ…

「星の王子様」と日没 33

「ぼくは日没がとっても好きなんだ。日没を見に行こうよ」 プチ・プランスは寂しくなると日の沈むのを見に行くのだった。1日に44回も見たこともある。彼の星はとても小さくて、わずかに椅子を引くだけでいつでも日没が見れるのだった。 「それじゃ、1日に44…

カンヌの空と光と太陽と 31

カンヌの空があんまりきれいだから ==== 青に朱に、刻々と表情を変える 洋上の雲は風を孕んで 夜明け前、一瞬空が燃える 獰猛な顔 嵐の予感 抜けるような青 南仏の記憶-1

暁光と黄昏(ぎょうこうとたそがれ) 19

毎朝、起きるとき外はまだ暗い。ほんのしばらくして、すぐ裏の教会の鐘の音が鳴る。

秋の日のヴィオロンの/ヴェルレーヌ

小学生のころ、私はとても痩せて小さくて色黒の、目ばかりぐりぐりさせた子供だった。 ==== ツイギー(*1)来日から、母のシュミで、髪はスーパーショート。ロングヘアの女の子が髪をかき上げるしぐさにあこがれて、必要もないのに「コンドーです」(*2)みた…

バラはなぜ棘(とげ)で刺す

ばらのステム(茎)をよく見て

からまつはさびしからずや

からまつの林を過ぎて、からまつをしみじみと見き。からまつはさびしかりけり。たびゆくはさびしかりけり

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