パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

9月4日、クシの日。祖母の櫛  comb

古い螺鈿の櫛

9月4日、今日は櫛の日(くしのひ)

祖母の形見の螺鈿(らでん)の櫛

 
思いついて父方の祖母の形見の櫛 を出してみました。私ははまぐりの螺鈿 (らでん)が気に入って、お茶会によく挿して行ったものですが、髪をショートにしてから出番がなくなりました。
 
さとり「母上は、このクシをしまったまま、一度もさしたことがなかったそうじゃ」
与一「明治生まれのお姑(しゅうとめ)の櫛、大正の嫁(母上)から昭和の孫へ。平成に挿して令和で懐かしむ、でやすかい。」
 
ちなみに、2014年は髪が長くてこんな風に結っていました。↓

夜会巻きに挿した螺鈿の古い櫛

この櫛(くし)は祖母のもので、明治か大正のもののようです。
べっ甲に「貝合わせ」の柄の、金蒔絵がしてある小ぶりの櫛。
 
8.5センチの見た目は小さく、櫛だけで見ると地味なので、今まで使うことがなかったのですが、ある日思いついて巻いた髪の根元に挿してみました。
 
髪に挿すと思いのほか大きく、派手に見えます。
櫛の歯が細かいのが、かえって髪から抜けにくくおさまりが良いようです。

 
 
祖母の形見のらでんの櫛
 

櫛や簪(かんざし)は、どことなく女性の念(ねん)がこもっているようで、他人のものはつける気にならないものです。
 
これは父方の祖母のものだから、母にとっては姑(しゅうとめ)のもの。母が自分で挿すことはありませんでした。


姑の形見として、長く母が引き出しにしまったままだったものを、父の死後、私がもらいました。
 
私にとっては「血の繋がった祖母だから良いだろう」そう母は思ったようです。

 
 
 
貝合わせの絵柄の着物
 
着物の柄も「貝合わせ」。
若い頃に作ったのでちょっと派手かもしれません。
 
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