パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

すずらん ミュゲ Lilly of the valley

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お花屋さんでスズランの鉢を見つけ、春のウキウキ気分とともに衝動買いをしました。

涼し気なグリーンフローラルの香りがします。

毎年、5月になると新宿御苑に鈴蘭を見に行くのですが、生花店には3月には出回っているのですね。

地物ですと、背が低いスズランは香りをかぐのが大変なのですが、植木鉢なら手に取って近くで香りを鑑賞することができます。

鉢を包んであるセロファンをそっと開き、香りを吸ってみます。
優し気で爽やかな香気。



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生の花からは、リナロール(linalool)やシトロネロール(citronellol)、ゲラニオール(geraniol)などローズを構成する成分や、cis-3ヘキセノールといったグリーン、そしてシンナミックアルコール(cinnamicalcohol)などスパイシーな香りがあげられますが、スズランそのものを特徴づける香気成分はこれといってないようです。

調合のときは、ヒドロキシシトロネラール(Hydroxycitronellal)やリラール(Lyral)、リリアール(Lilial)などミュゲ系ケミカル(どれも今は規制がありますが)、シクラメンアルデヒド(cyclamenaldehyde)などを使い、組み合わせて作ります。ローズ系、ジャスミン系の香料も入れますね。あと、インドール(indol)とか。

いまのインパクトある香水の流行の中では、スズランは少し影が薄いようです。使う割合は多いものの、もっぱら、強い香料を薄める役割にまわっていて、主役になることが少ないような気がしますね。



君影草といいますから、ひっそりと咲いて清楚なところがいいのでしょうか?


昔、我が家の庭にもスズランが植わっていて、テラスに沿って帯状に、どんどん葉が茂っていきました。鈴蘭は可憐な姿に似合わず、旺盛な繁殖力なんです。

 

そのころ読んだ本のどこかに書いてありました。
「油断していたら、いつの間にか庭にのさばって、押しかけ女房みたいにずうずうしい花だ」
というような内容で・・・。

ちょっとユーモラスでおかしいです。











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