パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

ヨモギ(蓬) Artemisia indica

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これは、1月20日ヨモギ(蓬)。
ちょうど、福寿草が咲き始めるころ、地面にぴったりと這うように生えていた。
 
 
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で、3月15日に同じ場所に成長度合いを見に行ったら、たいして大きくなっていない。
生えるたび採られて、草餅にでもされちゃったのかな?
 
 
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草餅を食べると、ほんのりミンティな味がする。
 
 
 
 
そういえば、ヨモギ(Artemisia indica)に近い香料で、アルモアズ(Artemisia herbaalba)があるが、これもビターなグリーンの中に、ミントでないミンティな香りがある。香水の処方中にしばしば使われる。
 
 
ワームウッド(ニガヨモギアブサン、Artemisia absinthium)の香料も同じ系統だが、アルモアズが女性的なら、こちらは男性的。より骨太でパワーがある。
 
 
高校生の時に読んでいた中に、「あぶさん」という野球漫画があった。プロ野球ファンではなかったので記憶があいまいではあるが、長いバットを持つ伝説的なバッターが飲んでいたのがこのニガヨモギを漬けた「アブサン酒」だったと思う。ニックネームだったのかも。アルコール度数が高く強い。
 
 
 
ヨモギ類は薬草として使用された。ヨモギ属についた学名の「アルテミシア」は、月の女神(ダイアナ、ディアーナともいう)を指す。
女性の月のものを司ったり、狩猟と潔癖の処女神とも、死をもたらすとも言われている。
 
 
 
最近ではヨモギの花粉症が問題になっているそうだが、昔から春のうちに草餅を食べたり、お浸しを食べていたのは、減感作療法の一種だったのでは?とか思う。(ただの推測)
 
 
菊の花のお浸しなども馴染みの料理だが、海外の人にとっては毒になると聞いた。日本人は小さい頃から少しづつ食べることで、耐性があるのかもしれない。
 
 
 
 
 
 
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