
山茱萸,さんしゅゆは,「はるこがねばな」ともいうらしい。ひとつずつは地味な花であるが、まだ緑も少ない野にふんわりと明るい黄色が花開くと、いよいよの春に心が弾む。
この時期は春の華やかな切花も多いけれど、むしろ枝ものの花に魅(ひ)かれる。


蘭はというのは世界に15000種類もあるのでひとくくりにはできないが、洋ランについていえば、一輪ずつをよく見ると、滑稽(こっけい)だったりグロテスクだったりもする。玄関の壺に刺したモカラが一輪落ちていて、スタッフの一人が「エイリアンみたい」とぎょっとしたそうだ。
モカラはエキゾチックな雰囲気がある。
黄色や紫など濃く強い色が多く、取り合わせによっては野暮ったくもなったりするが、バンダなどと一緒に、強い色同士を組み合わせて大人っぽいブーケにするのも好き。
意外に和の花とも合うと思う。