パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

エニシダ、ジュネ (Genet)の 香料

エニシダ、ジュネ(Genet)の花

エニシダ(金雀枝)、ジュネ(Genet)、またはブルーム(Broom)

エニシダの香気成分

朝、アトリエの階段を上がると、リナロールや、ローズPとかゲラニオールと言ったさわやかなフローラルグリーンの香りに迎えられる。
 
数日前にエニシダの鉢を買ってきて、2階の踊場(おどりば)の玄関前に飾っていたものが、朝日を浴びて香りを拡散しているものと思われる。
 
人が出入りして、お昼前にはあたりの香りは散ってしまうけれど、鼻を近づけると花からは甘いハニーグリーンの匂いがする。可愛い。
 
エニシダの黄色い花
 
エニシダは、漢字では金雀枝とあてる。そういえば、「ムレスズメ」という同じマメ科の植物もあって、エニシダと似ている。色は違うけれど、同じマメ科のフジの花もハギもスイートピーも、花の形はみな蝶々の形をしている。
 
英名ではBroomという。枝葉が「ほうき」の形をしている。この枝で作ったほうきに、魔女が夜中に乗って飛ぶらしい。
 
 
ジュネ(Genet)の香料
 

エニシダ(ジュネ)の香料の香り。Genet Abs.。

 
干草(ほしくさ)のような甘さ、タバコのようなレザーと、ハニー、アニマル、豆のモサモサした感じがある。
私の印象では、アブソリュードにはもっさりしたウッディ感があり、ミモザやナルシス、オスマンサスのアブソリュードにも共通のニュアンスがあると思う。
 
空気中に揮散している香りと、香料になったとき、それもエッセンスとアブソリュードでは香りはかなり違う。
 
また、香料がピュアな状態と、10%、1%に希釈したときでも変わってくるものである。
 
 
アトリエの玄関のエニシダ

アトリエの玄関にて

いつもの六本木の花店「バードガーデン」にて、アトリエの切花を買うときにみつけ、予定外に購入したもの。
上手に育てると夏前まで花が続くという。エニシダは丈夫な植物らしい。
 
玄関前がとても明るくなったと思う。
 
 
 
 
 
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