四季折々の香りある植物
エニシダ(金雀枝)、ジュネ(Genet)、またはブルーム(Broom) エニシダの香気成分 朝、アトリエの階段を上がると、リナロールや、ローズPとかゲラニオールと言ったさわやかなフローラルグリーンの香りに迎えられる。 数日前にエニシダの鉢を買ってきて、…
この1週間は通勤の道順を少し変えて、ソメイヨシノを満喫しています。 スペイン坂を横目に、泉通りを歩いて10分ほどのさくら並木がつづくこの道は、人がまばらで静か。週半ばに一気に満開となり、穏やかな風に花びらがひらひらと髪に落ちてきました。 あんな…
たぶん、この桜は陽光(ヨウコウ・Cerasus 'Yoko')。ソメイヨシノよりも少し早く咲き始めました。 地下鉄「六本木一丁目駅」からアトリエまで歩く道、グランドタワーの横に、「なだれ坂」という坂があります。 あっと気が付いたら濃いめのピンクの桜並木が…
このスイートピーはエンドウマメや原種に近い。園芸種に比べて花びらがシンプルで小ぶりである。香りは強い。少ししつこいほどのグリーンハニー。 スイートピーは、つまりスイート(甘い)なピー(豆)、マメ科の花。麝香豌豆(じゃこうえんどう)という漢名…
ヘリオトロープの花 春の花 濃い紫のヘリオトロープ。通勤途中に通りかかる植え込みには、春の草花が次々と咲いている。 少し前にはラッパスイセン、クリスマスローズ、パンジーなどだったのが、最近ヘリオトロープとミヤコワスレのようなブルーの菊が仲間入…
山茱萸,さんしゅゆは,「はるこがねばな」ともいうらしい。ひとつずつは地味な花であるが、まだ緑も少ない野にふんわりと明るい黄色が花開くと、いよいよの春に心が弾む。 この時期は春の華やかな切花も多いけれど、むしろ枝ものの花に魅(ひ)かれる。 ユキ…
ミモザとアカシアの違い 「国際女性デー」ミモザの日のプレゼント おととい、ミモザの小さい花束を頂いた。明るい黄色のそのかわいらしさにほっこりする。お部屋に春がやってきた。 そのときはうっかりしていたのだが、3月8日はミモザの日。FESTA DELLA DONN…
沈丁花の香り 暗いほど嗅覚のコンシャスが高くなるのだろう。このところ夜道を歩いていると、甘酸っぱい沈丁花(じんちょうげ)の香りが遠くから匂ってくると感じていた。爽やかなグリーンフローラルで、シトラス調のローズ系メタリックの香りは、夜に甘さが…
アオモジ(青文字)とケイオウザクラ(啓翁桜)を一緒に活ける春のアトリエ。買ったときはまだつぼみばかりで、小さな青い実にも見えた。今日はもう、はじけるように中から黄色いしべがのぞいている。 春先の「枝もの」として花店によく並ぶアオモジ。ひとつ…
啓翁桜(けいおうざくら)は、お正月明けくらいから、たぶん、お花屋さんで一番最初に出回る桜ではないだろうか。 だんだんと日が長くなってきて、春らしい日差しに、こころなしか気持ちが明るくなってくる。 出先から急いで帰る道、思わずいつものお花屋さ…
アオキは昔の家の裏庭にも植えられており、花よりも冬の実のほうがよく目立ち、記憶にある。 長いこと、ありふれた植物と思い心にとめるほどでもなかったが、新宿御苑を見るべき花もなく所在なげにただ歩いている冬の朝、ツヤのある葉の奥にひと群れ、ふた群…
朝アトリエにむかうのに、いつもとは異なる道を通ってみる。坂を下り切って大きな道へ出るとところ、角が三角に切り取られた空き地に、葉を落とした雑木(ぞうき)が4-5本固まって立っている。 ふと見ると、頭上に鳥が群がっていた。 「ムクドリかな。」 …
新宿御苑の「椿の森」で先駆けて咲く赤いツバキ。 ごく普通の、ツバキらしい椿である。 多くの露地(ろじ)の椿は、もう少し暖かくなってから春に盛る花だ。 これは温室のハイドゥンのつぼみ。海棠椿(カイドウツバキ)というらしい。ベトナムのツバキだそう…
この日の朝、新宿御苑に出かけた。 『久しぶりなのであちこちパトロールしなければ♪』 とまずは母子森に足を運ぶ。 細いせせらぎ沿いに歩き、藪を一歩抜けると、黒っぽい集団が遠く池の対岸にひとかたまりになっているのが見えた。 離れていても、こちらに向…
先日、生徒さんから、「家の庭にはカリンの木があって、その実をテーブルの上に置いておくとだんだんといい匂いがしてくる」という話を聞いたので、私もやってみようと思って拾いに行った。 寒いけどすっきりと晴れた青空に、ゴツゴツとした果実がたわわに実…
スイセン、水仙、ナルシス(Narcisse, Narcissus)については、過去何回も書いたので書き尽くした感があるが。 最近ではちっとも新宿御苑に行くチャンスがない。せめて生花店で買い求めた日本水仙の数本をアトリエに活けて、あの、スイセンの広がる林を思い…
夜道につづく常緑の生け垣は、暗い葉の海。 山茶花(さざんか)の花が、白い波頭のように次々と、ぼんやりと浮かんでいる。思い思いの、いくつもの表情で。かたくななつぼみ、横顔、または蕊(しべ)もあらわに。 足を止め、その頤(おとがい)に手をかけて…
スイトピーはもはや春の花ではなくて冬の花なのか?いつもの六本木のお花屋さんに花選びに行ったところ、11月だというのにもうスイトピーが入っていてびっくりした。毎年、正月明けにスイトピーが並んでいるのをお花屋さんで見ると、気持ちが明るくなって…
通勤途中のエキナカの、いつもの週代わり露店ではお花屋さんの出店が始まったばかり。朝、店員さんが忙しそうに花をバケツに入れて並べている。 屋台の花はユリやトルコキキョウなど、ごく普通の花が飾ってあって、あまり興(きょう)をそそられなかったのだ…
本当はバオバブでもバオバブモドキでもないのだけれど、一目見て「これ、カワイイ!バオバブみたい」と思ったのだ。 先日の、シュガーバインやアラビアコーヒーの木と一緒に購入。 アトリエから帰る途中、駅ナカの露店(ろてん)に出ていた「ワンダーガーデ…
シュガーバインという、観葉植物のひとつ。 明るい緑、5枚の葉が車輪状にまとまっているのが、あどけない感じで好き。 ワンダーガーデンという静岡の出店。多肉植物がたくさん並べてあってとってもかわいい。 アトリエから帰る途中、駅ナカの露店(ろてん)…
もう、路地のほうは終わってしまったが、少し前に活けたブルーサルビアの花が青くてきれいだったから、いまさらではあるが、アップすることにした。 昔は公園や家の庭に咲くサルビアと言えば、真っ赤な花のイメージだったけれど、薬用サルビア、すなわちコモ…
京都の催事の前日に、あたりをうろうろしていて紛れ込んだのは「京都市都市緑化協会」のお庭先。たくさんのフジバカマの甘い香りに誘われて入ると、珍しい鉢がたくさんある。花の時期ではないので、ほとんどが小さな苗だったり葉っぱだけだったり。なんとい…
秋の七草のひとつ、フジバカマ(藤袴)である。 はじめつぼみは濃い小豆色だったものが、開くと淡くなり、ピンクのフワフワした雲のように見える。 この日、京都での催事の前日夕方に、少しだけ会場の近く東山界隈をブラブラする。台風の前で天気はあいまい…
秋明菊(シュウメイギク)は白がよい。 キク科ではなくキンポウゲ科の植物で、その姿は同じキンポウゲ科のアネモネやニリンソウなどを思わせる。 今日、10月8日の誕生花は「秋明菊」。シュウメイギクと口にすれば音も心地よい。 すっきりと伸びた細い首の上…
春と秋の彼岸と、父の命日、お盆。年に4回は墓参にくる。そのお寺で二年前に発見したのが「シキミ(樒)」。春に行けば花が、秋に行けば実が見れる。この写真はまだ木についている、緑色のぷっくり丸い、シキミの実。 シキミの別名は「ジャパニーズ・スター…
ようやくギンナンの新物が出る季節になった。それは秋の始まり。 まだ青いギンナンの素揚げしたものを、熱いうちにパラリと塩を振ってひと粒つまむ。噛むとねっちりと歯ごたえがあり、塩味と油のコクでほろ苦さが引き立ってうまい。 子供のころは、茶碗蒸し…
土曜日の夕方、スクール生のMさんが、家から夜香木(ヤコウボク)を切ってきてくれた。家には白い花を中心にした庭があり、香料植物も多いとか。お母様の丹精だそうである。この夜香木の株が大きくなり、かなり生い茂っていてるそうで、伸びた枝に次々と花が咲…
夏の庭 ミソハギ 禊萩 Shinjuku Gyoen National Garden 静かな、夏の新宿御苑。フランスから戻って1ヶ月あまり、久しぶりに訪れてみる。 代々木から六本木にアトリエを移してしまったために、ちょっと通勤の途中でより道をして新宿御苑を散歩する、というわ…
シャガ(射干)、胡蝶花ともいう。 小さなアヤメの仲間で、日陰でも、手入れしなくてもよく育ち増える。種子はできず、地下茎で増殖するので、皆クローンのようなものである。 群れて咲く様子は、まさに群舞する蝶のごとし。