パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

椿 & ハイドゥン camellia

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新宿御苑の「椿の森」で先駆けて咲く赤いツバキ。
ごく普通の、ツバキらしい椿である。
 
多くの露地(ろじ)の椿は、もう少し暖かくなってから春に盛る花だ。
 
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これは温室のハイドゥンのつぼみ。海棠椿(カイドウツバキ)というらしい。
ベトナムのツバキだそうだ。
 
 
 
椿にしてはごつい。色も少し派手めで南国調である。
 
 
そういえば昔、アメリカで交配された椿を見たときも、どれも大づくりでアグレッシブに美を誇っており、日本の凛としたたたずまいとは趣(おもむき)が異なると感じたものである。
 
その国、その国で求められる理想像、好みによるものなのだろうか。
 
18020ハイドゥン 椿.jpg
 
 
5年前に温室でこのハイドゥンに会った時、まだ高さ30センチほどの鉢でつぼみはひとつだった。同じ鉢だと思うが、今年は1メートルくらいまで高くなり、花も6-7輪ついていた。
 
 
 
高いところにあるのはまだつぼみ。ひざくらいの高さに、ろう細工のような花が咲いている。
重さに耐えかねて花首を俯(うつむ)けているのを、かがんですくい上げるように下から撮る。
 
花弁が肉厚でぽってりとしており、日本の椿のような清冽(せいれつ)さはない。

おおらかな笑(え)みの花。
 
 
 
 
 
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