夏の庭 ミソハギ 禊萩 Shinjuku Gyoen National Garden
静かな、夏の新宿御苑。フランスから戻って1ヶ月あまり、久しぶりに訪れてみる。
代々木から六本木にアトリエを移してしまったために、ちょっと通勤の途中でより道をして新宿御苑を散歩する、というわけにはいかなくなった。
この日、わざわざといった体(てい)でやってきたが、やっぱりいいなあ。都内に新宿御苑ほど自然の豊かで植物の多い公園は知らない。
揺れる若いガマの穂も夏らしい。増水したために池の水が濁っている。
まだ固いガマの穂。冬には真っ白い綿を吐き出すのだ。四季のめぐり合いを見ているからこそ、愛しさがつのる。
前日の雨で、ずいぶん涼しく感じられる。とりわけ樹木を抜ける風はひんやりと爽やかだ。
新宿御苑の母と子の森は、夏休みの林間学校を思いおこさせる。懐かしい光景と、降るような蝉時雨(せみしぐれ)。蒸れた草の匂い。
ここには私の嫌いなもの以外、何もかもがある。