パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

栴檀(せんだん)は双葉より芳し、は白檀(びゃくだん)か?Meliaceae

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朝アトリエにむかうのに、いつもとは異なる道を通ってみる。坂を下り切って大きな道へ出るとところ、角が三角に切り取られた空き地に、葉を落とした雑木(ぞうき)が4-5本固まって立っている。


ふと見ると、頭上に鳥が群がっていた。
 
ムクドリかな。」
 
よく見ると、木の梢(こずえ)には実が生(な)っているようだ。小さな丸い金色の実がたくさんついている。それを食べに集まっているらしい。
 
地面には、銀杏(ぎんなん)のような黄色い実が落ちているが臭くはない。
 
 
 
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木の反対側には札(ふだ)がついているのが見えたので、回り込んで覗(のぞ)いてみると「センダン(栴檀)」と書いてある。
 
栴檀は双葉より芳し(せんだんはふたばよりかんばし)」、という諺(ことわざ)が頭に浮かぶ。栴檀、すなわち白檀(びゃくだん・サンダルウッド)は小さいころからいい香りがする。転じて、優秀な人は子供のころから出来がよいというようなことだったと思う。
 
「え?これが栴檀?つまり白檀ってこと?」そう思ってまじまじと樹皮も観察するが、どうみてもこの樹はビャクダンではない。

札(ふだ)には学名も書いてあり、たぶん公園課とかの専門家が書いているのだから間違いなかろう。ごていねいにQRコードまでついている。
 
 
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そう思ってコードを読み取り、アトリエでいろいろと調べてみた。すると意外なことが分かった。
 
「日本で呼ばれる栴檀(せんだん)と、インド産の栴檀、つまり白檀(びゃくだん)は別物。」「白檀は芽が出たばかりの双葉の時は匂いがしない」という二重の間違いがあるようだ。
 
この日本産の木には、千個もの団子がつくことから、「センダン」という名になったようだ。いつの間にか別の漢字が当てられて混同したものと思われる。
 
そして匂いに関していえば、確かに白檀油(サンダルウッドオイル)は材の芯の部分から採油され、そこまでの成長には20年かかるので、うっすらと「なんか変だな?」とは思いつつも、「葉にも匂いがあるのだろう」くらいに思っていた。
双葉ではないが、例えばヒノキやヒバも材(ざい)だけでなくリーフからも採油されるし。。。
 
 
 
 
とはいえ、この「栴檀は双葉より芳し」という意味は、多くの人が知る慣用句としてひとり歩きしているのだから、それは間違いではなく、それが言葉の運命というものだろう。
 
 
5月には花も咲くそうなのでぜひまた通って見てみたいと思う。
 
 
犬も歩けば棒に当たる。さとりも別の道を歩けば、なにか発見があるものだ。
ひとつ賢くなって、嬉しい朝の出勤であった。
 
 
 
 
 
 
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