この日、京都での催事の前日夕方に、少しだけ会場の近く東山界隈をブラブラする。台風の前で天気はあいまい。細かい雨が降ったりやんだりしている。
ひと鉢とか、路地にひと群れ咲いていたことはあるが、一度にこんなたくさんのフジバカマを見るのは初めてだ。
これだけの量があれば、確かに道にまで香りが漂ってくるはずである。
フジバカマの匂いは、クマリンやヘリオトロピンのような甘いパウダリーな香りで、このピンク色の雲のような花のイメージにきわめて似つかわしい。
ものの本には、フジバカマは乾燥しないと香らないと書いてあるし、私も以前はそう思っていた。しかし生花もよくにおう。環境や個体差があるのかもしれない。
自由に入れるようなので庭の中に入ってみる。奥にはヤブコウジとか、エンコウソウとか地味な植木鉢がたくさん。
『なんだろ、植木屋さんかしら?だとしたらずいぶんシックな植物を集めているんだな』などと思い、『さすが京都、お茶屋さんや料亭に納めるのかしら?』
とひとりごちる。
次はぜひ、この梅小路公園にいってみたいものである。
植物事典 フジバカマ キク科 フジバカマ属 学名:Eupatorium fortunei,