和のもの、日本の伝統文化について
久しぶりに訪れたGさんが、羊羹を持ってきてくれた。ダイエット中・・・とチラと頭をかすめたが、ちょうど夕方の小腹のすく時間、これは食べないわけにいかん!とばかりに早速みんなで頂くことに。 あけてびっくり、箱の中にはなんとあんみつがそのまま一枚…
櫛やかんざし(簪)は、重いと髪から抜けてしまう。 そのため、べっこうや漆などの素材のものが多い。金属ではせいぜいシルバーの重さまでが普通だろう。 でもやはり、こういうちゃんとした宝飾品のかんざしも持っていたいもの。18金やプラチナを使ったもの…
塗りのお盆に並んだ5つのお椀に、精進料理が盛られている。 今日の献立は、豆のおばん(ご飯)、わかめとよもぎ麩のお汁、白和え、せりと切干大根の胡麻和え、春菊の海苔巻きの五品。 この器は持鉢(じはつ)といい、漆のお椀が5枚、入れ子になっている。「…
気がつけばもう1週間、 16日は裏千家の「初釜式」であった。前のお席には安部総理もおいでになられた。 今年も大宗匠のお顔を拝見しご健勝のご様子に安堵する。 初けずりのお茶杓は毎年干支にちなんで銘をつけられる。 今年は午年(うまどし)。うすれゆく記…
年が明けたと思ったらもうすぐ節分。日々の速さに驚いてしまう。15日は遠州流、16日は裏千家と、 先週はお家元の初釜が続き慌ただしく過ぎてしまった。 毎年、お祝い膳を頂いた後、干支の入った板と口取りの器を持ち帰る。十二支も3順目、板も器も一つづつ増…
いつも1階のサロンで抹茶をいただいているので、たまには11階のアトリエでもお薄(うす)を立てましょうということになった。 「このたびは~ 私が点(た)てます~ 」お茶を習っていたH子嬢が点(た)ててくれることになった。 家からおかあさまが造ったとい…
今夜は四十七士討ち入りの12月14日。 今日、若い生徒さんに「赤穂浪士って知ってる?」 と聞いたら、『は、なんですかそれ』というような顔をしていたので 「今の人はしらないんだ!」とびっくりしたけど、30年前も私の母親世代が同じようなこと・・・「若い…
11月の酉の日は全国の鷲(おおとり)神社で「酉の市」が行われる。27日は三の酉。 三の酉のある年は火事が多いと言い伝えられているが、三の酉は2年に一回あるそうだから、珍しいことではない。まあ、日本の冬は乾燥しているから、常に注意喚起というところ…
鳩居堂を見るのは楽しいので、銀座に行けば必ず寄って何かしら買って帰る。この日も季節の便箋と封筒をたくさん買って、 「そういえば隈取(くまどり)のぽち袋があったはず・・・。」探してみるとやはりあった。それも2種類も。 一つのたとう包みには、6枚…
二十四節気の第17、秋分から数えて15日。 「露(つゆ)が冷気となって凍りそうになるころ」という日なので本来は寒いはずなのだが、今日のこの暖かい陽気はどうしたものか。 寒さが凝(こ)って赤く宿った去年のカラスウリ。 ことしはまだ、青い。 いずれゆく…
葛籠(つづら)。ずっとクローゼットの中にあったのでまだ新しくみえるが、私が20歳の時に作ってもらったものなのでもう結構古い。 「舌きり雀」の中で、雀のお宿からおじいさんとおばあさんがしょってくるのがこの葛籠。この物語の時代の葛籠は葛籠藤(つづ…
前回の「母の華道①」からずいぶん経ってしまった。 つづきであるが、母はこうしたわけでいろいろと社交に忙しく、私は家にとりのこされたこととも多い。 そっと出ていく母の背中を廊下で見つけ、追いかけ、玄関をはさんで親子で扉を押したり引いたり。 つい…
この古い写真は昭和36年ころだと思われる。水盤には母の活けたアイリスの花。(ペコちゃんのような顔の私) 昔の女学校は、お茶お花、裁縫は授業の正科だったから、母はごく普通にいけばなはできたし、嫁ぎ先の姑(しうとめ)が華道の先生がったから、さらに…
シリーズの続きであるが、私の父方の祖母は華道教授であった。 いまからおよそ100年前、その祖母が華道の免許を受ける際、師に差し出した証文である。 「相伝の秘術については親子兄弟であっても他言しない。 もし誓いを破ったら天罰も、流派の祖の罰も受け…
江戸、明治、大正と、つづいて書くと言いながら間があいてしまったが、そして引っ越しの際、茶箱(ちゃばこ)の中から古い風呂敷に包まれた書類一式が出て来たところへ戻る。 とりあえず華道関係の本だけを選んで時代別に並べてみたところ、前回の天保14年(1…
昨日からの続き そして引っ越しの際、茶箱の中から古い風呂敷に包まれた書類一式が出て来た。代々女系(にょけい)の家にようやく生まれた男子である父であるから、大澤家、近藤家、末永家など祖先の書きつけが集まったものらしい。黒田家へ養子に行ったり来…
去年の春 逢へりし君に 恋ひにてし 桜の花は 迎へけらしも 去年之春 相有之君尓 戀尓手師 櫻花者 迎来良之母 若宮年魚麻呂(巻8・1430) 去年の春に会ったあなたを恋い慕って、桜の花は今年こうして迎えに来たにちがいないことよ。 万葉集は恋の歌が多い。 …
「春の日の長くなるこそうれしけれ 書をみるにも花をみるにも」 ‐昭憲皇太后 御歌‐
ほっと一服。 開けたての新しい抹茶で、L子ちゃんの立てた「お薄(うす)」はおいしい~。
七十二候 鶏始乳 「にわとり はじめて とやにつく」 鳥屋(とや)で鶏が卵をうみ始めること。 二十四節気の大寒もいよいよ末候。次の節気「立春」を前に、春を予感させる言葉だ。 卵は豊饒のシンボルとされ、多くの国の聖なるものとされている。ちなみに、生…
「おおさむこさむ、山から小僧が飛んできた」 小さい頃は教えられるままになんとなく丸覚えして、この大寒(おおさむ)と、大寒(ダイカン)を結びつけて考えたことはなかった。 そういうことって多いんじゃないかな。 唱歌、こいのぼりの中に出てくる、「橘…
「お疲れさま~」「おつかれさま~」 帰るとき、声をかけ合う。ありふれてるけど、こういう言葉って日本語独自のもの。 ねぎらう、というか、励ますというか。
16日は茶道裏千家の2013年の初釜式にお招きしていただいた。
道には昨日の雪がまだ残っている。ぞうりでは心もとないと思い、下駄をはいていくことにした。 家を出るとよく晴れて、思ったよりは暖かい。 先に見えるのは桜のようだ。冬に咲く、十月桜かと思う。
冬はつと(夙)めて、雪の降りたるは いふべきにもあらず 霜のいと白きも またさらでもいと寒きに 火など急ぎおこして 炭もてわたるも いとつきずきし 昼になりて ぬるく ゆるびもてゆけば 火桶の火も白き灰がにちに なりてわろし
今日、1月5日はは二十四節気「小寒」の七十二候「芹乃栄(せりすなわちさかう)である。 1月の後半に来る「大寒」は最も寒い頃であるが、その前の「小寒」になったばかりでも充分に寒い。ううう、辛いよお。 なのに、また今朝も来てしまった新宿御苑。今日は…
金盞香(きんせんか さく) とは、水仙の花香る頃。24節気72候、立冬の末候ともなれば木枯らしが吹き始め、本格的な寒さがやってくる。
今日、マダムSとお茶の時間に書道の話になった。 「私、書道習いたいわー。」「最近若い人の間で流行っているみたいね」「やっぱり字が下手だと恥ずかしいもんね!」「先日お知り合いのお嬢さんからお手紙いただいたけど、とってもきれいな字だから返事が書…
ファックスが便利だと思っていたのも今は昔。メールを使うようになってから、利用する機会がぐっと減ってしまった。 ==== ましてや手紙など、文字をかくにも時間がかかってたくさんの人に書くには効率が悪い。 今や郵便で出す手紙は実用ではなく、社交の役割…
山茶始開(つばきはじめてひらく)、立冬の初候11月7日。 今日は昼間は暖かかったけれど、夜になってぐっと冷え込んできた。なんとなく、紅葉の時期は晩秋の範囲のような気がしていたが、暦の上ではすでに冬の始まりである。