パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

山茶始開(つばきはじめてひらく)立冬 11月7日

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山茶始開(つばきはじめてひらく)、立冬の初候11月7日。


今日は昼間は暖かかったけれど、夜になってぐっと冷え込んできた。
なんとなく、紅葉の時期は晩秋の範囲のような気がしていたが、
暦の上ではすでに冬の始まりである。

「つばきはじめてひらく」と読むが、漢字は山茶花(さざんか)と書いてある。

実際、今の時期に咲いているのはさざんかで、椿(つばき)は年明け初春に咲く。

 

 

いままでたくさんの椿の匂いを吸ってみたが、まだ匂いのある椿にあったことはない。
比べて花にあでやかさや凄艶さこそ少ないが、さざんかはさわやかないい匂いがする。

「さざんかさざんか咲いた道、焚火だ焚火だ落ち葉たき」

庶民的な花は、焚火の歌にも歌われている。

やはりさざんかは、木の葉が落ちて焚火をするような、冬の始まりの花である。

 

 

暦はいつも先を歩いている。
こんなに一年が早く過ぎるのは、時間は魔法の靴を履いているから。

いつも後からあわてて追いかけるわたしは、
きっと暦が季節の手をつかんで
けん引しているに違いない、などと思ってしまうのであった。

 

 

 

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