パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

華道伝授 誓いの証文  ikebana  1916年

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シリーズの続きであるが、私の父方の祖母は華道教授であった。

いまからおよそ100年前、その祖母が華道の免許を受ける際、師に差し出した証文である。


相伝の秘術については親子兄弟であっても他言しない。

もし誓いを破ったら天罰も、流派の祖の罰も受けます」と誓っている。

証文が残っているということは、契約書のように2通作ったのであろう。 


たかが花を活けると言っても、日本の芸道の厳しさは江戸から続く武道と同じである。

そのように育ったゆえに祖母は強い性格だった。

 

明治、大正になり藩はなくなってもお家が大事。

代々、女系の生まれで、あととりができなければ婿(むこ)をとりかえて、ようやく待望の男子である父が末っ子に生まれた。何番目かの婿である祖父は、曽祖母、祖母の眼鏡にかなうこととなった。しかし父は、養子の祖父よりも大切にされたと言う。


さながら時代劇ドラマのようである。


祖母はお琴の先生でもあった。母は若い頃、父が弾くのも見たことがあるそうだ。

私が生まれる前に祖母は亡くなってしまったが、小さい頃、座敷に紅絹(もみ)に包まれた古い琴があったのを覚えている。

私が琴の包みを開けてみたくなかったはずはないのだが、触ろうとしたら母に叱られて、それきり話題にしてはならぬものとなった。


商家でのんびり育った母は嫁してのち、きつい姑(しゅうとめ)である祖母にずいぶん苦労したようだ。

しかし、姑(祖母)が亡くなってからの母はだんだん家での権力を増し、それまで乳母日傘(おんばひがさ)で育てられた父を圧倒するようになった。


90の母は長寿を得て、いまや大沢家に君臨する女帝である。(笑)


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貴家御一流(おんいちりゅう)一切の秘術を御相傳(ごそうでん)下され候就(つ)いては生命親子兄弟たりとも一切他言(たごん)仕間敷(しまじき)もし相背(あいそむ)き候(そうろう)節は天罰を蒙(こうむ)り流祖の御罰を受くるものなり依(よっ)て誓証文(せいしょうもん)件(くだんの)の如(ごと)し

大正五年十月十七日

 

 

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