パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

点初め(たてぞめ) enshu-ryu 2013

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道には昨日の雪がまだ残っている。
ぞうりでは心もとないと思い、下駄をはいていくことにした。

家を出るとよく晴れて、思ったよりは暖かい。

先に見えるのは桜のようだ。冬に咲く、十月桜かと思う。

 

15日、遠州流のたて初め(初釜)に伺わせていただいた。

一昨年は先代のお家元が身罷 われ、昨年はしっとりとしめやかだったが、今年は明けて少し華やぎのある明るいお式であった。

お道具は毎年違う趣向でそろえられ、眼福である。

お家元初削りのお茶尺は、今年の勅題「立」にちなんで、春の光に湯気が立ちのぼる様子を詠まれた歌が添えられ、また、古瀬戸の大肩衝「春霞」という銘の茶入れも、柔らかく堂々としている。

前日の雪が残る寒さの中、春の陽を想い気持ちがほっこりとする。

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すっかり日が暮れてしまった。

前日の残雪、風情のある不傳庵入口。

 

 

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