ツルボに会いたい。
朝のうちにひと仕事を終えて、イソイソとアトリエを出る。
新宿御苑の九時の開苑時間にちょうどついた。
もう、ここは自分の庭のごとく熟知しているつもりだが、「どういうルートで行こうかな?」と考えながら案内板を見る。
ツルボは一番奥の、プラタナス並木の下に咲くのでちょっと遠い。
短い時間で中央あたりのキンモクセイ、はじっこのツルボと見て、折り返し最後に日本庭園のヒガンバナを見るルートをとることにする。
ほぼ、縦断する感じだ。
ツルボは少しまばらな感じで生えている。
色がうすく、少し元気が無いようだ。
小さな花びらをひろげ、いっぱいに伸ばした蘂(しべ)が、赤ちゃんの手のようでいじらしい感じが好き。
並木を一往復しながら足元のツルボを見て、次はヒガンバナを見るためにすぐにそこを離れる。
あらやだ、通りかかった「中央休憩所」の前に群生している。
ここはキンモクセイからほど近く。
あんな遠くまで行かなくてもよかったのに・・・。
でも、ここのツルボはピンクが濃い。
日当たりがよいせいかしら。
時々においをかぐ。写真を撮る。
ズーム、ピント、開放値、よくわからないなりに、可愛いと思って撮ると、可愛くとれるんじゃないかなと思う。
そんな考えは論理的じゃないけど、そもそも、愛って論理的じゃないでしょ?
ヒヤシンスのような、ハニーグリーンの香り。
後で調べたら、ツルボはユリ科のシラーの仲間だと思っていたら、キジカクシ科だと書いてあるものもある。
キジカクシ科なんてなじみの無い科だけれど、アスパラガスに近いようだ。
学名も違うし、どっちが正しいのかな・・・?