2015-09-21 ヒバンバナ,曼珠沙華,Lycoris radiata, 香りの花図鑑 ・秋の花・植物 ヒバンバナ 「ヒガンバナ(彼岸花)を庭に植えるものではない、あれはお墓の花だから。」 そういわれても、気にせずに庭に植えたことがある。 若い頃は、ときに自分の中の「善」に不満を持つ。または挑戦的な気持ちがあって? ただ綺麗だったからかもしれない。 ヒガンバナは、夏草がまだ残る林の木陰にひっそりと茎を長く伸ばし、ある日突然その姿を表す。毒々しいほどに赤く、悪女風だ。 植物にとって花びらは飾りで、蘂(しべ)こそが重要な存在なのだ。 生殖が生き物の役割だから。 白いヒガンバナもある。 ヒガンバナに花の香りはない。 蘂(しべ)が生殖のために存在するならば、球根で増えるのはどういうことなのであろう? ヒガンバナは3倍体であるため結実しないといわれるが、わずかにはできるそうである。 ヒガンバナによく似た形の、ダイヤモンドリリー(ネリネ)と呼ばれるピンクの花があるが、ドラマティックさでは及ばない。