パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

ヒバンバナ,曼珠沙華,Lycoris radiata,

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ヒガンバナ彼岸花)を庭に植えるものではない、あれはお墓の花だから。」
 
 
そういわれても、気にせずに庭に植えたことがある。
若い頃は、ときに自分の中の「善」に不満を持つ。
または挑戦的な気持ちがあって?
ただ綺麗だったからかもしれない。
 
ヒガンバナは、夏草がまだ残る林の木陰にひっそりと茎を長く伸ばし、ある日突然その姿を表す。
毒々しいほどに赤く、悪女風だ。
 
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植物にとって花びらは飾りで、蘂(しべ)こそが重要な存在なのだ。
生殖が生き物の役割だから。
 
 
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白いヒガンバナもある。
ヒガンバナに花の香りはない。
 
蘂(しべ)が生殖のために存在するならば、球根で増えるのはどういうことなのであろう?
ヒガンバナは3倍体であるため結実しないといわれるが、わずかにはできるそうである。

 
ヒガンバナによく似た形の、ダイヤモンドリリー(ネリネ)と呼ばれるピンクの花があるが、ドラマティックさでは及ばない。
 

 

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