パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

カラスウリ,烏瓜,Trichosanthes cucumeroides

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カラスウリの赤い実が冴えてくると、もう冬が近いのだと感じる。
この色を見つけると、ときめいて近寄ってみるものの、一瞬後には哀愁を帯びて見える。

玉章(たまずさ)という別名がいい。

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気がつけば陽はすっかり柔らかくなり、夜が早くやってきた。
窓の外がひっそりと闇に包まれると、本を読むのが楽しみになる。

こうした景色の移り変わりを見ることで、体も冬の仕度をするように反応するのではないかと思う。


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これは、7月のカラスウリの花。


花びらが細い糸状に分かれ、レースのフリンジのようだ。

カラスウリの雌花は夏の夜に咲き、ひと夜でしぼむ。
雄花は数日のあいだ開花する。



闇夜では、赤や黄色より、白い花のほうがはっきり浮かび上がる。
スズメガを受粉に呼ぶために、夜に目立つ容姿になったのだという。


では、秋の赤い実は誰を呼ぶ?


▶ さらさらとした衣擦れを余韻として、立ち去った後の静寂に、その面影を追う・・・そうした日本の美意識をこの香りにこめました。
 
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