パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

・新宿御苑

つるぼ  Scilla scilloides

ツルボが咲いている。 とてもとても楽しみにしていた。小さな淡いピンクの花、ツルボ。 光によって、ピンクと紫が微妙に変化する。

夏空 新宿御苑 Shinjuku Gyoen National Garden

お盆中には朝晩の涼風にすわ秋が来るのかと思いきや、猛暑がぶり返しもう1週間。 こんな暑い日の新宿御苑は、冬枯れの時期と同じように静かだ。 雲の影がビルの上を斜めによぎっていく。

ミソハギ 禊萩 絵日記  Lythrum anceps

暦の上では秋といっても、まだ暑いアスファルトの上に、近ごろやたら目につく蝉のなきがら。 思えば子供時代に経験した最大のピンチは、八月の後半、日増しに強くなるツクツクボウシの声とともにやってきた。それも毎年、こりずに。 お盆が終わればもう、あ…

ミズヒキ 水引 Antenoron filiforme

ミズヒキという渋い草花。小学校の中の松林はいつも鬱蒼としていたが、ところどころさす日差しの中に、ひっそりとこのミズヒキが咲いていた。 懐かしい、そしてなじみの草花。

サルスベリ 百日紅 Lagerstroemia indica

サルスベリの赤い花がいよいよと咲くと、もう夏休みも終わりに近いのではないかと、小学生でもないのにどことなく淋しいというか、焦ってしまう。 この時期になると蝉の種類も変わってきて、ツクツクボウシの声がする。夜になれば「チッチッチ」とカネタタキ…

8月15日

月遅れのお盆、8月15日は終戦記念日でもある。 暑く、遥か遠くは騒がしく、そして静かな一日。

黒いアゲハ蝶 ナガサキアゲハ Papilio memnon

小さなシジミ蝶も可愛くて好きだけど、この大きなアゲハ蝶をみるとなんだか得した気分になる。最近はめったに見ないなあ。 大きいのでゆったりとんで見えるが、とにかくちっともじっとしていない。花にとまっても羽を休めることがないので、なかなかきれいに…

6枚花弁のあさがお 朝顔 morning glory

これは、色とかが「朝顔」のイメージ。 言葉の音には対象物の本質を決定する要素があるけれども、文字の見た目にも一定の印象があると思う。 口に出せば同じでも、書いたときに、朝顔と、あさがおと、アサガオ、ではイメージが変わるようだ。

ナンバンギセル 南蛮煙管 Aeginetia indica

やれよかったナンバンギセル間に合った。出張やらなんやらでしばらく新宿御苑にいけなかったので、もう枯れちゃったかなあと心配していた。 新宿御苑の日本庭園、橋と橋の間の池のほとりにススキのひと固まりがある。このススキの根元に生えている背の低い花…

槿(むくげ)のツボミ Hibiscus syriacus

槿(ムクゲ)は秋の七草のアサガオを指すともいわれ、源氏物語の槿(あさがお)の姫君にも字をあてられている。 一日花であるが、正確にはどちらの花を指すのかは定かではない。 槿(ムクゲ)と同じアオイ科の花は華やかなものが多い。ざっと挙げてみても、…

三人の糸つむぎ女 グリム Brüder Grimm

グリム童話に「三人の糸紡ぎ女」という物語がある。 新宿御苑の千駄ヶ谷門をはいるとすぐ、とても大きなスズカケの木が三本あって、私はいつもこの木に会うたびに、この「三人の糸紡ぎ女」を思い出すのだ。 Ψ Ψ Ψ ある娘が王国のお后にみこまれ、王子のお嫁…

「大暑」夏の蒲(ガマ)の穂/Typha latifolia

今年は7月22日が大暑。大暑は暑さが極まる日と言われる。

アガパンサス 青い花火 Agapanthus

アガパンサスの花ことば「知的な装い」は、冷静なブルーの花色からきていそうだ。 そしてもうひとつの花ことば「愛の訪れ」は、アガパンサスのアガペー(愛)から由来するらしい。

ハンゲショウ、ゼンゲショウ Saururus chinensis

ハンゲショウ、ゼンゲショウ Saururus chinensis 本当は「ゼンゲショウ」なんて名前の草はないのだけど。 「ハンゲショウ」という草は、、半夏至(7月2日、夏至から数えて約11日の雑節)の頃、半分お化粧をしたように白くなるので名付けられたという。 その…

モッコク 香りの花 Ternstroemia gymnanthera

モッコクは誠に地味な花を咲かせる。 しかしその香りは実に遠くまで届くのだ。

青楓 a breeze blowing through green leaves

7月、育ち盛りの夏。 芝生のあざやかな緑が目にまぶしい。 涼しげな木蔭を作るかえでもみじ。四季を通じて表情のある樹木である。

シモツケ 下野 Spiraea japonica

初夏の茶花、シモツケ(下野)

夏のバラの庭 Rose garden

夏の暑い日盛りに、バラの2番花が再び花壇を飾っている。 5月に咲いていたあの立派な大きなバラは一度摘み取られ、その後に伸びたシュートにまた小ぶりな花をつけている。

ホタルブクロ 蛍袋 Campanula punctata Lam

ホタルブクロ。名前のように膨らんでいる。 私の小学校の林間学校は箱根の寮に行く。そこにはこのホタルブクロがたくさん咲いていて、蛍はこの中から生まれるのだと固く信じていた。

昼顔 Calystegia japonica

昼顔。 ガードレールのわきにも、公園の片隅にも、道端にも咲くありふれた花。暑い夏の昼下がりに、眠たげなピンク色の花は風もないのにしなしなと揺れる。

シロツメクサの匂い White clover

シロツメクサ、ムラサキツメクサ、小さい頃に花輪を作って遊んだ。腕輪、冠、ネックレス・・・茎を折って編んでいくと、青臭さと甘いハニーの混ざり合った匂いがする。そして四つ葉のクローバーをみんなで探して、定期入れに挟んだりしたものだ。

手活けのバラ A kept mistress

手活けの花、それは遊女を身請けして囲うこと。 モダンローズは戸外にあっては充分に美しさが引き立たない。窓辺越しのほの明るい部屋の中でこそ映える生き物だ。世話をするほどに立派に咲く、お金のかかる女。

ニワナナカマド Sorbaria kirilowii

まっ白い雪のようなニワナナカマドの花。これは6月初旬の写真。 ひとつづつは5~8mmくらいだが、5枚の花弁の中心から広がる蕊が長く、小さいながらもまるで梅の花のようである。チンシバイという別名も、そんなところから来ているのだろう。 梅と同じバラ…

ワルナスビ Solanum carolinense

ついた名前が「ワルナスビ」 「俺だって好きでこんな姿になったわけじゃなし、人間様の都合で勝手に名前をつけないでくれ」って言っているかもしれない。

ザクロ グレナデン Punica granatum

ザクロの朱色の花が咲いている。どこの庭にもよく植えてあり、学校の帰りにこの朱い色の花を塀越しにながめて通学したものである。

ナツツバキ 娑羅樹 Stewartia pseudocamellia

ナツツバキ、見つけた。 「今日のさんぽの目的は、目的を持たないこと。」いつもは門をはいった分かれ道のところで、何を見に行くか考えて方角を決めるのだが、その日は目をつぶってくるくる回り止まった方向に向かって歩き始めた。

クチナシの白い花 ガーデニア Gardenia jasminoides Ellis

ガーデニア、クチナシの香りがする。初夏から夏にかけて、この季節に咲く木の花はいい匂いのものが多い。花の香りに誘われてくる蝶を待ちかねているのだろうか、ほんの1センチくらいの赤ちゃんカマキリ。

カワラナデシコ 撫子 Dianthus superbus

「ナデシコ」という名は誰でも知っているに違いない。 大和撫子(ヤマトナデシコ)やナデシコジャパンなど、日本女性を指す言葉として日常使われている。また、切れ込みのある五弁のはなびらのモチーフは、和の小物や浴衣の柄にも使われてなじみのある形であ…

タイサンボク 泰山木 Magnolia grandiflora L.

タイサンボクのまっしろなフードの中にはシャンデリアのような蕊が包まれている。大きな肉厚の花びらは、たっぷりとしてボリューミー。遠目には朴ノ木(ホオノキ)の花にも似ている。でも、タイサンボクは純白で上品だし、もっとすっきりとした香りである。 …

嵐の爪あと 新宿御苑 SHINJUKU GYOEN NATIONAL GARDEN

おとといの嵐で、たくさんの木が折れた新宿御苑。昨日の朝はまだその爪あとも生々しかったが、今朝に同じ場所を見に行ったところ、一日のうちにずいぶん片付いている。

Copyright © PARFUM SATORI All Rights Reserved.