パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

ナンバンギセル 南蛮煙管 Aeginetia indica

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やれよかったナンバンギセル間に合った。
出張やらなんやらでしばらく新宿御苑にいけなかったので、もう枯れちゃったかなあと心配していた。

新宿御苑の日本庭園、橋と橋の間の池のほとりにススキのひと固まりがある。
このススキの根元に生えている背の低い花、これがナンバンギセル(南蛮煙管)である。

 これは寄生植物で、イネ科植物の根から養分を取る。

そのため、ススキの繁殖を抑制すると同時に、もしイネにつけば稲の生育を阻害する。

 

ナンバンギセルのせいというよりも、人間様都合の話。

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見るたびに不思議な形の花。
私にはどことなくタツノオトシゴのように見える。


外国から来た煙管(キセル)のようだからこの名前がついたらしいが、うつむいた形は物思いにふけっているようだ。

 

野辺見れば 尾花がもとの思ひ草 枯れゆく冬に なりぞしにける

 新古今和歌集 和泉式部 の歌

「尾花」はススキ、「思ひ草」は南蛮煙管のことである。


 

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背の低い草なので、香りを見るのは大変だ。

炎天下、熱い砂利道に膝をついて鼻を近づけてみるが、頭がぼうとしていたのかもともと匂いがないのか、さっぱり香りはしてこなかった。

 

 

 

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