タイサンボクのまっしろなフードの中にはシャンデリアのような蕊が包まれている。
大きな肉厚の花びらは、たっぷりとしてボリューミー。
遠目には朴ノ木(ホオノキ)の花にも似ている。
でも、タイサンボクは純白で上品だし、もっとすっきりとした香りである。
タイサンボクは初夏にかけて長く咲き続ける、大好きな花のひとつ。
6月の初めのつぼみ。
毛の生えた茶色い帽子をかぶっていた。
花も巨大だが、葉もとても大きい。
新宿御苑の庭木のお手入れをする作業員の人たちが、「あとからあとから葉が降ってきて、きりがないよ」と笑いながら話していた。
千駄ヶ谷駅から神宮外苑に至る道の街路樹に、植えて間もないと思われるタイサンボクの並木があるのを見つけた。
まだ背丈は低いながらも花をいくつかつけている。
花はきれいだけど、丈が20mにもなるのに大丈夫かな?
葉もすごく落ちるから、片づけがとっても大変だろう。
花は杯(さかずき)のようだから、大盞木という字をあてるとは牧野先生の説である。
咲きたては神々しいのに、枯れてくると茶色くなって残念な様子は、コブシやモクレンなどマグノリア属の宿命かもしれない。
Magnolia grandiflora L.
マグノリア属の花は多く、マグノリア天然香料はこの花から採らない。
また、アーティフィシャルなマグノリア調合香料は甘くクリーミィで、実際の花はもっと爽やかなシトラスグリーンフローラルである。