ついた名前が「ワルナスビ」
「俺だって好きでこんな姿になったわけじゃなし、人間様の都合で勝手に名前をつけないでくれ」って言っているかもしれない。
形はなすの花によく似ているし、立派に実もなる。
うっすらと青みのある花は群生して遠目にはきれいだが、棘がたくさん生えていて触ると痛い。
全草に毒を持ち、食用にはならないのでそんな名前がついたらしい。
この草に初めて気がついたのは30年前。
電車の引き込み線の線路わきに群れて咲いていた。
じゃがいもにもなすの花にも似ているけれど、なんだろうと思っていたが、そのうちあちこちで目にするようになった。
草取りをすると痛いし、少しでも根が残るとそこからまたはえてきてなかなか根絶が難しい有害雑草だ。
繁殖力旺盛な帰化植物で在来植物を脅かしている。
全身を毒と棘で武装して、排除しようとすると分裂して増殖するいやな奴。
そんなところからも「ワル」の冠をいただいたのだろう。
欧米でも、悪魔のトマトとかリンゴとか名付けられている。
新宿御苑でも、この1ー2年で急に増えたような気がする。
日本で初めて発見されたのは明治時代。植物学の父、牧野先生による。
こんな外来種もそのうち風物となるのだろうか・・・。
しかし今の世の中、ワルナスビがかわいく見えるくらい、
「憎まれっ子世にはばかる」というのが横行しているようである。
➤ワルナスビ ナス科 ナス属 学名:Solanum carolinense