昼顔。
ガードレールのわきにも、公園の片隅にも、道端にも咲くありふれた花。
暑い夏の昼下がりに、眠たげなピンク色の花は風もないのにしなしなと揺れる。
儚げな様子のくせに地下にはびこる根はしぶとく、なかなか根絶できない。
「昼顔」と言えば、カトリーヌ・ド・ヌーブが主演した映画が頭に浮かぶ。
原題の「Belle de jour」(日中の美女)という仏題を、「昼顔」に邦訳したのは秀逸と思う。
上映されたのは子供の頃だったので、なんとなく「それについて聞いてはいけない映画」という雰囲気だったのを覚えている。
しかしながらカトリーヌ・ド・ヌーブ自身は稀有な花。
パリを具現化したエレガンスの塊のような人だ。
パリのパン屋さんでお買い物をしていた。
年をとってもきれいな人っているんだなあ。