パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

多様なジャンルを香りでフォーカス

母の裁縫箱③カミソリ TOPY SHARP BLADE

昨日からのつづき 母の裁縫箱にあった缶のひとつには、古いカミソリが入っていた。 これは、ミシンで縫った糸を切ったりするときに使う。 なんて呼ぶのかな? 水色のプラスチックのケースに、ネジ2つでカミソリを止めるようにできている。 安全剃刀を流用し…

母の裁縫箱②風月堂ゴーフルのボタン入れ Sewing Box

昨日のつづきだが、 これは、風月堂(ふうげつどう)の小さいゴーフルの入っていた缶。 懐かしいわあ。 こちらのゴーフル缶のボタン入れは、裁縫箱の中で始終目にしていたせいか、ちっとも珍しくもないと思っていた。 たまたま、昨日のスイスの老舗「レッカ…

母の裁縫箱①レッカーリフースのキャンディー入れ Lackerli-Huus

今日、母の裁縫箱を開けてみて、思いがけず変わったものを見つけた。 これはレッカーリフース(Lackerli-Huus)というスイスのお菓子屋さんのタブレット入れ。たぶん、昭和30年代のものと思われる。 母の針箱は、なんだかわけ分らないモノがたくさん入ってい…

速報!与一発見! Yoichi

「与一が発見されました!」 夏にフランスから帰って、いつの間にか雲隠れした与一。 あるいは神隠しか。 時々スタッフが、 「先生、与一見かけませんねえ」 「先生、そういえば与一はどこへ行ったんでしょう?」 などというたびに、「そうねえ?どこにしま…

旧岩崎邸庭園 iwasaki-tei teien

この日、池の端(いけのはた)に用事があった帰り、湯島(ゆしま)近辺をぶらっと歩いていたら、旧岩崎邸庭園の道標(どうひょう)に行き当たった。 前から一度行ってみたいと思っていたので、偶然に誘われるように寄ってみることにした。 坂道を上がると、…

御苑の紅葉 autumn color

山ではとっくに紅葉が終わっているそうだが、里はまだまだ暖かく、秋から冬の装いが遅い。 年々遅くなっているような気もして板が。。。、 ようやく朝晩の冷え込みで色づいてきた新宿御苑の紅葉。 桜の木などというものは、ただ枯れ葉になって落ちていくだけ…

街の紅葉 autumn color

明け方の雨がやんで、少ししっとりとした歩道の、濡れた敷き石が黒くなった上に、あかやきいろの落ち葉が散っているのに、朝陽が射して、心が澄んでくる一日の始まり。 はずむ、足どり。 赤くなった「かえでもみじ」を山まで見に行かなくても、映す鏡が磨い…

広い意味で「庭をつくる」epanouir(エパヌイール)

自分は勉強するのが好き。 だけど人が学んで、成長する姿が好きだし、その瞬間に立ち会うのはもっと嬉しい。 学んでいる人が何かを発見した喜びに、明るく輝く表情が、私をも照らす。 epanouir(エパヌイール)。 輝く、花ひらく、表情が晴れ晴れとした。

マトリョーシカと調香技術 Matryoshka doll

この仕事をするためには、この作業が必要で、この作業をするためにはこの段取りが必要。 何かしようとするたびに、その手前、そのまた手前の作業が展開されていく。 まるで、マトリューシュカのようだ。 香りをつくる場合も、調合ベース香料を何重にも使って…

足す力、引く技術 adding and subtracting

デザインでも、余分なものをそぎ落としていって残ったものがシンプルで美しい。 しかし、それが言えるのは足して足して、てんこ盛りにした経験があってこそ。 やっぱり、子供のころは、よりデコラティブでゴージャスなものに魅(ひ)かれたもの。 勢いのある…

ラプソドス Rhapsode 詩を編むもの

香りは「言葉」であり 香水は「詩」であり 調香師がなにかといえば 「詩を編むもの」である。

消えていく昭和の道具とか死語とか① SHOWA

香水の歴史の授業などで、たとえ話などしているときに、または話が脱線した時に、ふと、今の若い人はこの言葉を理解できるかしら?と思うことがよくある。 すでに道具自体が世の中に存在していなかったりすると、そのものから説明しなければならず、まわりく…

スタイルを磨く Style

今あるもの、誰かのスタイルをまねするとかじゃなくて、自分で考え出してそれを形にしていくって言うのは、ただ、技術だけ磨いてもダメなんだ。 何か楽しくて、面白くて、こうしたいとか、どうだろうか、とか、そういう気持ちがなければ、湧いてこない。 そ…

プラタナスの木の下で under the Platanus trees

プラタナスの下に立って目をつぶると、 風の音が、 私をアルディッシュに連れて行ってくれる。 真の闇の中で、 朝まで夢を見ないで眠りたい。 Standing under the Platanus trees with my eyes closed, the sound of the wind takes me to Ardèche. I want t…

落ち葉の匂い ジオスミン (ゲオスミン) geosmin

雨の後の雑木林で、落ち葉を踏んで歩くと、湿った土の匂いがする。立ちのぼったアーシーな香りが、足跡とともに追いかけてくる。 雨上がりの木立ちは、樹木の呼吸も一緒になっているからかな? 思わず深呼吸したくなる。 立ち止まり、ふわふわ積み重なった腐…

スッポン 鼈 Soft-shelled turtle

スッポンが伸びている。 暑くて疲れちゃったのかなあ。 7月はフランスに行って致し、8月はあまりにも暑すぎて外へ出られなかったから、本当に久しぶりにきた新宿御苑。 あまり花のない季節だけれど、ひととおり巡回をしようと歩いていたところ、スッポンに会…

言葉について考えてみた Pegomasにて

哀しみの陰に情緒がやどり、情操が育つ。 日本は情緒の国である。日本の特別な言葉の中で、日本の情操が育つ。 言葉は服のようなものだから 、人と関わるのであれば裸ではいられない。 言葉を飾るなと言うけれど、それは自分の感じたことや、言いたいことと…

ウサギとカメ The Tortoise and the Hare

ちょっと見リアルな人形なので、写真を見て本物だと思った人もいるようだ。 これは昨年の夏、グラースの香料植物園で買ったカメの置物。 ラボにおいて帰ったら、ちゃんと今年も飾ってくれていた。 私がスローだというのは自覚しているが、人に言われてはちと…

ベビーリング babyring

とてもお世話になった方の、お孫さんの誕生祝に作ったパールのベビーリング。 1階のジュエリーの先生に作ってもらったもの。 あっさりしたデザインだけれど、大人の指輪と同じようにひとつづつ手作りで作られている。 大人と同じすぎて、比較物が無いと小さ…

茶箱(ちゃばこ)tea chest

新しい茶箱(ちゃばこ)が来た。 茶箱とは、お茶の葉を保管しておくための木箱で、中にブリキや亜鉛などの金属が貼りめぐらされている。 湿気を防ぎ、防虫、防臭効果もあると言うことで、昔は大切な着物、衣装やお道具類をこの茶箱にいれてしまっていたもの…

亀と松 KAME&MATSU

君来ずは 形見にせむと 我がふたり 植えし松ノ木 君を待ち出でむ 柿本人麻呂歌集 私待つわ、いつまでも待つわ。 あなたと一緒に植えたこの松の木の下で。 いいの、トロくたって、だって私、カメだもの。

デコポン しらぬひDekopon

よいち「うわっー!巨大なミカンでやすねー!」 さとり 「ポコ!」 よいち「あっ、さとりさま!いきなり人のおでこをたたくなんて、ご無体(むたい)な!プンスカ!!」 さとり「ホホ、よいち、これはデコポンと云うのじゃ」 デコポンは大きな柑橘(かんきつ…

ホテルオークラのマッチ 燐寸 MATCH

いまどきマッチなんて珍しい! ホテルオークラのレストランで素敵なマッチを頂いた。 昔はどこのカフェにも食堂にも、お店のマッチが置かれていたものだ。 いまは、多くの人がタバコをやめてしまったし、マッチの出番は仏壇に置くくらいだろう。 事実、母も…

アンティーク香水ポスター Sirdha ERIZMA paris

昨日に続き、これもパルファンサトリのライブラリーからアンティークの香水本のポスター。Erizma Paris(1885~)というブランドのSirda(1925)という香水。 1925年といえばアールデコの時代。これも浮世絵風。 このポスターの花は枝垂れ梅だと思うけれど、葉…

「妬く(やく)与一」車型 光学式 マウス  jealous

与一「あっ!なんすか!なんすかコレ!!さとりさま、真っ赤なスポーツカーなんか買っちゃって、ドーユー意味っすか?」 さとり「だってよいち~。コレ、ライトがLEDで光るんだよ?いいんじゃな~い♪」 与一「いいんじゃな~いって、ソレ古いし。それより、…

お雛さま おかたづけ Hinamatsuri Imperial dolls

にやり、右大臣くん。 これでゆっくり眠れるわい。 角度によってなのかな・・。 なんかみんなほっとしているみたい。 髪の毛にねぐせがつかないように、撫でつけてから、しまう。 また、来年までおやすみ。 もう、3月4日にはかたづけなくてはならないのだが…

おひなまつり、お供の子たち③三人官女 three court ladies ,Hinamatsuri

官女中「あーやれやれ、ずっと立ってるのって疲れちゃうわ。いいわね、あんたたちは座ってられて」 官女左「ナニ言ってんの、お姐(ねえ)さんだって、夜に皆が帰った後で、おちゃんしてたでしょ」 官女右「ネエ、おちゃんって何?おちゃんって」 官女左「い…

お供の子たち 五人囃子(ごにんばやし) Hinaningyo

五人囃子(ごにんばやし)の小鼓(こづつみ)担当くん。 ほのかに笑みが浮かぶ。 楽器の中で鼓(つづみ)のデザインが面白くて好き。 砂時計状の筒の両側に皮を張り、緒と呼ばれる紐を張って作られている。 この紅い緒が、形をとてもドラマチックにしている…

昭和のお雛様(おひなさま) imperial dolls

私と同い年の雛人形(ひなにんぎょう)、昭和の。 すでに半世紀以上たっている。 もうずっとしまったままだったので、久しぶりにサロンに飾ることにした。 これはお内裏様(親王)。 赤ちゃんの顔で、こんなふうに二等身のお雛様は、今ではあまりみられない…

毛糸の帽子 2作目 KNIT

正月に2日間で手編みの帽子を編み上げたのに気をよくし、2作目に挑戦しようと思ったのが1月の7日。 1作目はケーブル編みだったので、こんどは編みこみにしようと思ったのだが・・・。 仕事が始まって見ると忙しくて忙しくて、 当然ながらちっとも手が進まな…

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