多様なジャンルを香りでフォーカス
昨日からのつづき 母の裁縫箱にあった缶のひとつには、古いカミソリが入っていた。 これは、ミシンで縫った糸を切ったりするときに使う。 なんて呼ぶのかな? 水色のプラスチックのケースに、ネジ2つでカミソリを止めるようにできている。 安全剃刀を流用し…
昨日のつづきだが、 これは、風月堂(ふうげつどう)の小さいゴーフルの入っていた缶。 懐かしいわあ。 こちらのゴーフル缶のボタン入れは、裁縫箱の中で始終目にしていたせいか、ちっとも珍しくもないと思っていた。 たまたま、昨日のスイスの老舗「レッカ…
今日、母の裁縫箱を開けてみて、思いがけず変わったものを見つけた。 これはレッカーリフース(Lackerli-Huus)というスイスのお菓子屋さんのタブレット入れ。たぶん、昭和30年代のものと思われる。 母の針箱は、なんだかわけ分らないモノがたくさん入ってい…
「与一が発見されました!」 夏にフランスから帰って、いつの間にか雲隠れした与一。 あるいは神隠しか。 時々スタッフが、 「先生、与一見かけませんねえ」 「先生、そういえば与一はどこへ行ったんでしょう?」 などというたびに、「そうねえ?どこにしま…
この日、池の端(いけのはた)に用事があった帰り、湯島(ゆしま)近辺をぶらっと歩いていたら、旧岩崎邸庭園の道標(どうひょう)に行き当たった。 前から一度行ってみたいと思っていたので、偶然に誘われるように寄ってみることにした。 坂道を上がると、…
山ではとっくに紅葉が終わっているそうだが、里はまだまだ暖かく、秋から冬の装いが遅い。 年々遅くなっているような気もして板が。。。、 ようやく朝晩の冷え込みで色づいてきた新宿御苑の紅葉。 桜の木などというものは、ただ枯れ葉になって落ちていくだけ…
明け方の雨がやんで、少ししっとりとした歩道の、濡れた敷き石が黒くなった上に、あかやきいろの落ち葉が散っているのに、朝陽が射して、心が澄んでくる一日の始まり。 はずむ、足どり。 赤くなった「かえでもみじ」を山まで見に行かなくても、映す鏡が磨い…
自分は勉強するのが好き。 だけど人が学んで、成長する姿が好きだし、その瞬間に立ち会うのはもっと嬉しい。 学んでいる人が何かを発見した喜びに、明るく輝く表情が、私をも照らす。 epanouir(エパヌイール)。 輝く、花ひらく、表情が晴れ晴れとした。
この仕事をするためには、この作業が必要で、この作業をするためにはこの段取りが必要。 何かしようとするたびに、その手前、そのまた手前の作業が展開されていく。 まるで、マトリューシュカのようだ。 香りをつくる場合も、調合ベース香料を何重にも使って…
デザインでも、余分なものをそぎ落としていって残ったものがシンプルで美しい。 しかし、それが言えるのは足して足して、てんこ盛りにした経験があってこそ。 やっぱり、子供のころは、よりデコラティブでゴージャスなものに魅(ひ)かれたもの。 勢いのある…
香りは「言葉」であり 香水は「詩」であり 調香師がなにかといえば 「詩を編むもの」である。
香水の歴史の授業などで、たとえ話などしているときに、または話が脱線した時に、ふと、今の若い人はこの言葉を理解できるかしら?と思うことがよくある。 すでに道具自体が世の中に存在していなかったりすると、そのものから説明しなければならず、まわりく…
今あるもの、誰かのスタイルをまねするとかじゃなくて、自分で考え出してそれを形にしていくって言うのは、ただ、技術だけ磨いてもダメなんだ。 何か楽しくて、面白くて、こうしたいとか、どうだろうか、とか、そういう気持ちがなければ、湧いてこない。 そ…
プラタナスの下に立って目をつぶると、 風の音が、 私をアルディッシュに連れて行ってくれる。 真の闇の中で、 朝まで夢を見ないで眠りたい。 Standing under the Platanus trees with my eyes closed, the sound of the wind takes me to Ardèche. I want t…
雨の後の雑木林で、落ち葉を踏んで歩くと、湿った土の匂いがする。立ちのぼったアーシーな香りが、足跡とともに追いかけてくる。 雨上がりの木立ちは、樹木の呼吸も一緒になっているからかな? 思わず深呼吸したくなる。 立ち止まり、ふわふわ積み重なった腐…
スッポンが伸びている。 暑くて疲れちゃったのかなあ。 7月はフランスに行って致し、8月はあまりにも暑すぎて外へ出られなかったから、本当に久しぶりにきた新宿御苑。 あまり花のない季節だけれど、ひととおり巡回をしようと歩いていたところ、スッポンに会…
哀しみの陰に情緒がやどり、情操が育つ。 日本は情緒の国である。日本の特別な言葉の中で、日本の情操が育つ。 言葉は服のようなものだから 、人と関わるのであれば裸ではいられない。 言葉を飾るなと言うけれど、それは自分の感じたことや、言いたいことと…
ちょっと見リアルな人形なので、写真を見て本物だと思った人もいるようだ。 これは昨年の夏、グラースの香料植物園で買ったカメの置物。 ラボにおいて帰ったら、ちゃんと今年も飾ってくれていた。 私がスローだというのは自覚しているが、人に言われてはちと…
とてもお世話になった方の、お孫さんの誕生祝に作ったパールのベビーリング。 1階のジュエリーの先生に作ってもらったもの。 あっさりしたデザインだけれど、大人の指輪と同じようにひとつづつ手作りで作られている。 大人と同じすぎて、比較物が無いと小さ…
新しい茶箱(ちゃばこ)が来た。 茶箱とは、お茶の葉を保管しておくための木箱で、中にブリキや亜鉛などの金属が貼りめぐらされている。 湿気を防ぎ、防虫、防臭効果もあると言うことで、昔は大切な着物、衣装やお道具類をこの茶箱にいれてしまっていたもの…
君来ずは 形見にせむと 我がふたり 植えし松ノ木 君を待ち出でむ 柿本人麻呂歌集 私待つわ、いつまでも待つわ。 あなたと一緒に植えたこの松の木の下で。 いいの、トロくたって、だって私、カメだもの。
よいち「うわっー!巨大なミカンでやすねー!」 さとり 「ポコ!」 よいち「あっ、さとりさま!いきなり人のおでこをたたくなんて、ご無体(むたい)な!プンスカ!!」 さとり「ホホ、よいち、これはデコポンと云うのじゃ」 デコポンは大きな柑橘(かんきつ…
いまどきマッチなんて珍しい! ホテルオークラのレストランで素敵なマッチを頂いた。 昔はどこのカフェにも食堂にも、お店のマッチが置かれていたものだ。 いまは、多くの人がタバコをやめてしまったし、マッチの出番は仏壇に置くくらいだろう。 事実、母も…
昨日に続き、これもパルファンサトリのライブラリーからアンティークの香水本のポスター。Erizma Paris(1885~)というブランドのSirda(1925)という香水。 1925年といえばアールデコの時代。これも浮世絵風。 このポスターの花は枝垂れ梅だと思うけれど、葉…
与一「あっ!なんすか!なんすかコレ!!さとりさま、真っ赤なスポーツカーなんか買っちゃって、ドーユー意味っすか?」 さとり「だってよいち~。コレ、ライトがLEDで光るんだよ?いいんじゃな~い♪」 与一「いいんじゃな~いって、ソレ古いし。それより、…
にやり、右大臣くん。 これでゆっくり眠れるわい。 角度によってなのかな・・。 なんかみんなほっとしているみたい。 髪の毛にねぐせがつかないように、撫でつけてから、しまう。 また、来年までおやすみ。 もう、3月4日にはかたづけなくてはならないのだが…
官女中「あーやれやれ、ずっと立ってるのって疲れちゃうわ。いいわね、あんたたちは座ってられて」 官女左「ナニ言ってんの、お姐(ねえ)さんだって、夜に皆が帰った後で、おちゃんしてたでしょ」 官女右「ネエ、おちゃんって何?おちゃんって」 官女左「い…
五人囃子(ごにんばやし)の小鼓(こづつみ)担当くん。 ほのかに笑みが浮かぶ。 楽器の中で鼓(つづみ)のデザインが面白くて好き。 砂時計状の筒の両側に皮を張り、緒と呼ばれる紐を張って作られている。 この紅い緒が、形をとてもドラマチックにしている…
私と同い年の雛人形(ひなにんぎょう)、昭和の。 すでに半世紀以上たっている。 もうずっとしまったままだったので、久しぶりにサロンに飾ることにした。 これはお内裏様(親王)。 赤ちゃんの顔で、こんなふうに二等身のお雛様は、今ではあまりみられない…
正月に2日間で手編みの帽子を編み上げたのに気をよくし、2作目に挑戦しようと思ったのが1月の7日。 1作目はケーブル編みだったので、こんどは編みこみにしようと思ったのだが・・・。 仕事が始まって見ると忙しくて忙しくて、 当然ながらちっとも手が進まな…