雨の後の雑木林で、落ち葉を踏んで歩くと、湿った土の匂いがする。
立ちのぼったアーシーな香りが、足跡とともに追いかけてくる。
立ちのぼったアーシーな香りが、足跡とともに追いかけてくる。
雨上がりの木立ちは、樹木の呼吸も一緒になっているからかな?
思わず深呼吸したくなる。
立ち止まり、ふわふわ積み重なった腐葉土をはがして見れば、もっと濃くなった、カビのようなにおいが鼻をつく。
それはジオスミン(geosmin)。
語源をたどれば「大地のにおい」である。
倉庫に長く置いておかれり、古い家の押入れから出したと思われる荷物が届いて、そのダンボールまで臭うこともある。紙や布は臭いを吸いやすい。
また、水や食べ物からこの、カビ臭さがすればとても嫌なものだ。
ほんのわずかでもすぐに感じる。
ほんのわずかでもすぐに感じる。
けれど、神社の境内の裏などでジオスミンがほのかに香ってくれば、子供の頃にかくれんぼして遊んだことを思いだす。
それは、必ずしも嫌なにおいではない。
「におい」と言うものは、強弱や濃淡、そして場面のふさわしさによって心地よかったり、不快だったりする。
思い出とかも、からまって。
だから、においが悪いわけじゃない。
いつどこで会うか、どんなめぐり合いか、それが大切。
いつどこで会うか、どんなめぐり合いか、それが大切。