今あるもの、誰かのスタイルをまねするとかじゃなくて、自分で考え出してそれを形にしていくって言うのは、ただ、技術だけ磨いてもダメなんだ。
何か楽しくて、面白くて、こうしたいとか、どうだろうか、とか、そういう気持ちがなければ、湧いてこない。
そこにあるのは、人がどう思うかではなくて「自分がどうしたいか」なんだ。
生むって言うのは、そこから始まる。
そして、自分が楽しかったり、美しいと感じたことなど、他の人と分かち合いたいよね。
同じ物を美しいと感じる、そういう人とめぐり合えたら、幸せなこと。
でも、それを、きちんと思い通りに作るには、技術が必要。
「伝えたい」と思ったとき、そのイメージするものを正確に描写するための力(ちから)がいる。
独(ひと)りよがりではなく、均衡や逆にアンバランスの均衡もあるけど、そこには、でたらめとは違う、輝きとかが出てくるんだ。
自分の感動が、物をつくる始まりだ。
嬉しいこと、悲しいこと、楽しい思い出、辛い体験、それがすべて今の「わたし」を形作っている。
「わたし」が、スタイルの原型。
そして、技術があとからついてくる、というより、ついてこなければならない。
「スタイルを磨く」
私は、そう、考える。