自分は勉強するのが好き。
だけど人が学んで、成長する姿が好きだし、その瞬間に立ち会うのはもっと嬉しい。
学んでいる人が何かを発見した喜びに、明るく輝く表情が、私をも照らす。
epanouir(エパヌイール)。
輝く、花ひらく、表情が晴れ晴れとした。
まだ若い頃、コップに挿した花のつぼみが開くのをずっと待って、何時間も座っていた。
殻を割る様に、花びらはちょんと顔を出し、日差しの中で伸びをしながら開いていく。
つぼみはむしっても、ゆさぶっても、怒っても、哀願しても咲かない。
ゆっくり育つ樹もあり、早くのびる草もあり、
人にしても草花にしても、育てるというのは手がかかるし、苦労の割に報われることが少ないこともある。
せっかく自分で苦労して得た知識や技術を教えてしまうなんて「物好き」と嘲笑(わら)う人もいた。
なぜそんなことをわざわざ?と問われれば、「だって庭が好きだから」としか答えようが無い。
モネは、ジベルニーの庭を維持するために絵を描いて売った。
私の庭には、何が植わり、どんな景色に育つのか?
それは私の心映えによる。