パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

広い意味で「庭をつくる」epanouir(エパヌイール)

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自分は勉強するのが好き。

だけど人が学んで、成長する姿が好きだし、その瞬間に立ち会うのはもっと嬉しい。

学んでいる人が何かを発見した喜びに、明るく輝く表情が、私をも照らす。

epanouir(エパヌイール)。

輝く、花ひらく、表情が晴れ晴れとした。

 

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まだ若い頃、コップに挿した花のつぼみが開くのをずっと待って、何時間も座っていた。

殻を割る様に、花びらはちょんと顔を出し、日差しの中で伸びをしながら開いていく。

 

 

つぼみはむしっても、ゆさぶっても、怒っても、哀願しても咲かない。


ゆっくり育つ樹もあり、早くのびる草もあり、環境を整えて気長に待つしかない。

 

人にしても草花にしても、育てるというのは手がかかるし、苦労の割に報われることが少ないこともある。

せっかく自分で苦労して得た知識や技術を教えてしまうなんて「物好き」と嘲笑(わら)う人もいた。

 

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なぜそんなことをわざわざ?と問われれば、「だって庭が好きだから」としか答えようが無い。

モネは、ジベルニーの庭を維持するために絵を描いて売った。

 

私の庭には、何が植わり、どんな景色に育つのか?

それは私の心映えによる。

 

 

 

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