パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

デコポン しらぬひDekopon

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よいち「うわっー!巨大なミカンでやすねー!」
さとり 「ポコ!」
よいち「あっ、さとりさま!いきなり人のおでこをたたくなんて、ご無体(むたい)な!プンスカ!!」
さとり「ホホ、よいち、これはデコポンと云うのじゃ」
 
 
デコポンは大きな柑橘(かんきつ)の果実。
実と枝のつけねに大きな出っ張りがあるのがとてもユーモラスである。
実際には20年前にはもうあったそうだが、数年前から街で見かけるようになった気がする。
 
最初は頂きものだったので、あまり名前もよく分からず食べていたし、
その姿から大きなポンカンだと思っていたが、デコポンという名だということを後に知った。
本当は、シラヌヒというハイブリッド種(ポンカン×清見)の、
中でも品質基準をクリアしたものだけにつけられる商標なのだとか。
 
 
私の子供の頃の、この時期の柑橘。
それはミカンがもう終わってしまった後、春から初夏にかけてはポンカンであった。
ポンカンはここまで大きく無いがやはりデコがあったと思う。
 
ポンカンは味は食べやすいのだが種がある。
その種を間違って噛んでしまうと生臭いえぐみがあって、それはちょっとパクチーにも似ている。
(香料のマンダリンにはこの種子のような、パクチーのようなクセがあって、それはマンダリンアルデヒドをかぐといつも思いだす)
 
 
夏みかんは子供の私にはすっぱくて、皮の白いところが苦く、手が汚れるのであまり好きでは無い。
ときどき給食に出てきて閉口(へいこう)した。
 
ハッサクはあっさりしているが果肉が少しパサパサして、甘みが少ない。
 
 
しかし、デコポンには種が無い。
とてもジューシーだし甘い。
一粒が大きいので、おなかがいっぱいになる。
 
そんなわけで、近頃はよくデコポンを食べる。
 
 
しかし、この名前、最高だと思う。
 
 
 
 

 

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