香水の歴史の授業などで、たとえ話などしているときに、または話が脱線した時に、ふと、今の若い人はこの言葉を理解できるかしら?と思うことがよくある。
すでに道具自体が世の中に存在していなかったりすると、そのものから説明しなければならず、まわりくどく、ひとつも例え(たとえ)になっていなかったりする。
受講生の年齢にもよる。
おそらく相手が平成生まれになると、怪しい言葉は「これ知ってる?」と、いちいち確認を取って授業を進めなければならない。
うちの生徒さんはみな礼儀を知っているので、「先生、そんな言葉いまどき使いません。それ、古いんです!」などとは言わない。
(いまどき使いませんということは、その言葉を知っているということでもあるが・・・。)
小首をかしげ、だまって静かに微笑んでいる姿というのは、やんわりとした否定として大変上品な対応。
一方、若いのに、よくそんな言葉を知っていると思う生徒さんは、おばあちゃんと住んでいたりする。
そこで、なんとなく思いついた死語について書いてみた。
ちょっと前の流行りことばが廃れた、というのではなくて、昭和のころに使っていたものや言葉、など。
授業で出てきたとは限らない。
話してみたときの相手の反応により、知っているか、知らないかで年代がわかるかも。
知らなかったら辞書で調べてみるといい。
◎掃除道具生活用品について
ハエタタキ、ハエトリ紙、ハタキ、洗濯板、蠅帳(はいちょう)、
いまでは、ハエが飛んでいるのを見るのも珍しい。ハエ取り紙は、魚屋さんの天井からぶら下がっていたオレンジ色の紙のリボンで、ハエがとまると粘着で取れなくなるもの、
チリ紙(し)、手水鉢(ちょうずばち)、衣紋(えもん)かけ、がまぐち、三面鏡
◎家具、家屋(かおく)について
三和土(たたき)、蚊帳(かや)、蚊やり、卓袱台(ちゃぶ台)、御不浄(ごふじょう)、下駄箱、肥溜、
小学生の頃は、トイレに行きたくなったら「先生!ご不浄に行って参ります」と言ったものである。
下の写真、ちゃぶだいの上には、大正のくし、簪(かんざし)や鹿の子絞り。
◎服装について
シミチョロ、とっくりセーター、トレパン、ズック、ヤッケ、ジャンパー、カチューシャ
シミーズが存在しないのでシミチョロも知らない。
◎たべもの すあま、シベリア(最近復活されたような)、渡辺のジュースの素、
◎その他、思いついたもの
カラスの足跡、貸本屋、ヨイヨイ、花柳界、お座敷(芸妓さんが呼ばれるところ)、どざえもん、がちょ~ん、ルンペン、へそが茶を沸かす、お茶の子さいさい、ぺんぺん草も生えない、桃栗三年柿八年、あたぼうよ、
同年代とばかり話していると、それが当たり前なので、世の中の動きからずれてくるね。
でも、若い人のことばを、年齢不相応に頑張って使うより、身の丈、年齢なりの言葉を使う方が、ほのぼのすると思う。