パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

寒ざくら カンザクラ SAKURA

まだ2月も終わりだというのに、濃いピンクのカンザクラはもう散りかけている。 ぬるい、一日。 降る降る、はなびらの雪。 風もないのに、ひと群れ、ふた群れとたくさんの花が舞い続ける。 梢(こずえ)では何が起こっているのだろう? おやまあ、メジロやツ…

ぺんぺん草でいいじゃない!Capsella bursa-pastoris

「世界でたった一つの花」という歌が流行るずっと前、悩み多き世代だったころの話。 「ユリには百合の、バラにはバラの美しさがある」とその先生は言った。 私は真剣に反論した。「でも先生、私はぺんぺん草なんです。バラやユリじゃないんです!」 若い頃は…

広尾 山藤 YAMAFUJI

以前にも紹介したことのある有機野菜の和食店「山藤」。 本当は料理屋さんで食べ物の写真を撮るのははばかられる。おいしさが伝わるように写真を撮るのは素人では難しいし、出来立てをすぐ食べなければ作り手に失礼というもの。 しかしいつも、こちらで真面…

かんざし 簪 KANZASHI

櫛やかんざし(簪)は、重いと髪から抜けてしまう。 そのため、べっこうや漆などの素材のものが多い。金属ではせいぜいシルバーの重さまでが普通だろう。 でもやはり、こういうちゃんとした宝飾品のかんざしも持っていたいもの。18金やプラチナを使ったもの…

ミッキーマウスツリー  Mickey Mouse tree, Ochna serrulata

小振りだけどちょっとヒペリカム、キンシバイに似ているなあと思ったら、全然別属の花だった。 ミッキーマウスツリー。 半年ほど前は赤い実がなっていたので、一見したときはわからなかったけど。 これがミッキーマウスツリーの由縁の種子。黄色い花が散った…

精進料理のお教室 Buddhist cuisine

塗りのお盆に並んだ5つのお椀に、精進料理が盛られている。 今日の献立は、豆のおばん(ご飯)、わかめとよもぎ麩のお汁、白和え、せりと切干大根の胡麻和え、春菊の海苔巻きの五品。 この器は持鉢(じはつ)といい、漆のお椀が5枚、入れ子になっている。「…

雪 ナルシス Narcissus

金曜日に大雪が降ってからずっと行けなかったのだが、久しぶりに新宿御苑に行った。 驚くことに、園(苑)の半分以上が立ち入り禁止区域になっている。 まだそうとうに雪が積もっているのだろう。それに木がだいぶ傷んで、折れかけている枝もたくさんあるん…

フレグランス デザインコンテスト 2013年度 授賞式&パーティのご報告 Fragrance design contest

パルファン サトリ フレグランス スクールでは、フレグランス デザイン コンテストを開催しています。このイベントはフレグランス デザイン講座の生徒さんと卒業生対象です。 フレグランスデザインコンテストは、エントリーした作品の中から最も優秀な香りを…

地衣類 白 Lichen

遠くから見たら白い花が咲いているのかな?と思った。 キノコかな?苔かな?近寄ってみると地衣類のようだ。たぶん。名前はわからない。 キノコとか苔とか地衣類とか、神秘的な生き物。 地衣類は菌類と藻類が共生してできているという。春夏秋冬同じような姿…

フクジュソウ 福寿草 Adonis ramosa

2月7日のフクジュソウ。 今年の路地の福寿草はいつもより少し早いみたい。梅が咲き始めた頃、近くの福寿草も開く。 フクジュソウとフキノトウ、全然別のものなのになんだか混乱しそう。 フキとふきのとうが同じ植物っていうのも混乱のもと。 つくしとスギ…

カカオ Theobroma cacao

バレンタインデーにちなんで、大きく育ったカカオの実。 少なくとも私が中学生くらいのころ、バレンタインデーで盛り上がっていたのは中・高校生で、大人はそんなことはしてなかったと思う。(まあ、大人のことはよくわからなかったけれど) 義理チョコも、…

パキラの花,Pachira

5メートルにもなって、花が咲くなんて意外だった。 パキラといえば、お部屋に飾る観葉植物という認識しかなかったけど。 うちにも何回か置いたこともある、ごくありふれたグリーンの鉢植え。 丈夫なのにもかかわらず、何度も枯らしたのは水のやりすぎだった…

東京アメリカンクラブ TOKYO AMERICAN CLUB

初めて東京アメリカンクラブへ行ったのは小学生の夏休みだ。昭和40年代の、古い建物。 ミセス・クラタという母の友達に、たびたびプールに連れて行ってもらったものである。一緒に歩いているとみんなが振り返るような、とてもきれいな人だった。ハーフのクラ…

ヒース ジャノメエリカ Erica canaliculata ,

寒い中、ジャノメエリカの花が咲いている。黒い点が蛇の目のようだからジャノメエリカ。この種は南アフリカ原産だという。 ヒース(heath)というのはアイルランドの荒地のことを指すのだが、そこに生える植物そのものもヒースとも呼ぶ。 それは特にエリカが…

コサギ Little Egret

風が羽毛を逆立てる。 コサギは橋の上から、半ば凍った池の中に降りた。片脚をゆっくりとあげ静止したかと思うと一歩、立ち止まってまた一歩と進む。 時折り長いくちばしを器用に使って、水中の何かを食べている。 水の中に入れた足先が細かく震えているよう…

紅白梅 ウメ Prunus mume

1月の下旬、古い友人と食事をした。 よもやま話の中に、家の梅の木が一輪咲いたと彼がいう。 彼の家の庭にはお稲荷さんがあって、その横に一本の紅梅が立っている。部屋の窓からその蕾が、日、一日とふくらんでいくのを楽しみに眺めていたが、その朝ようやく…

シモバシラ Keiskea japonica

シモバシラ Keiskea japonica。シモバシラはシソ科の植物である。 冬、すっかり枯れてしまった枝の根本に、氷の柱ができる。空洞になった枝の中にたまった水分が、寒さで結晶化するのだ。 年が明けてからずっと、新宿御苑に行けば「シモバシラ」ができている…

マヌカハニー MANUKA HONEY

ニュージーランドのマヌカハニー、秋の終わりに瓶詰と小分けパックのセットを頂いた。 初めてひとさじ食べたときは、とても癖の強いハチミツだと感じた。アニマリックでウッディな香りのする濃いはちみつ。 フトモモ科のギョリュウバイから蜂が集めたこのハ…

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