風が羽毛を逆立てる。
コサギは橋の上から、半ば凍った池の中に降りた。
片脚をゆっくりとあげ静止したかと思うと一歩、立ち止まってまた一歩と進む。
時折り長いくちばしを器用に使って、水中の何かを食べている。
水の中に入れた足先が細かく震えているようだ。
やっぱり寒いのだろうか?
しかしよくよく見ると震えているのではなくて、泥中を足でかき混ぜているのだ。
隠れていた小魚でも出てくるのを狙っているのだろう。
寒い冷たい朝だからといって、誰もが哀しがっているわけじゃない。
人は見たいように見て、その光景を解釈するものだ。