1月の下旬、古い友人と食事をした。
よもやま話の中に、家の梅の木が一輪咲いたと彼がいう。
彼の家の庭にはお稲荷さんがあって、その横に一本の紅梅が立っている。
部屋の窓からその蕾が、日、一日とふくらんでいくのを楽しみに眺めていたが、その朝ようやく開いたのだそうだ。
それまでの彼の旬日が、「花がひらいた」一瞬に凝縮され、パラパラマンガのように目の前に浮かぶ。
学生のころから癖のないまっすぐな性格で、スポーツマンらしからぬ?雅味のあるところがあった。
年取っても、そういうところはあんまり変わんないなあ。
「もしかしたらもう咲いているかも?」
その話を聞いた翌日、勇んで梅林に行った。やはり、茶室の裏の白梅が一本咲いている。
すでに三分咲きである。
この梅林には、毎年いち早く咲く白梅があって、いつも一輪目の咲くのを楽しみにしていたというのに、今年は今までチェックを怠っていたのが悔やまれる。
2月に入ってから咲くのが常なのだが、これは翌1月25日の早朝の白梅。
他の梅の木はまだ固い。
こんな日に限ってちゃんとしたカメラがなく、スマホで撮ったらやっぱりあまりよくない。
明日、もう一度デジカメを持ってこよう、と思っているうちに風邪をひいてしまい、1週間も会えなかった。
今日は日本庭園ではなく玉藻池に行くことにした。
日本庭園は柵があってそばに寄れないのだが、玉藻池のほとりの梅は匂いも吸える。
私はこのすっきりとした白の一重が一番好きだ。
潔い感じがする。
八重も可愛いのだけれど、梅にしては飾りが多い気がする。