カンヌ・グラース・アルディッシュ 2015
干し草 Hay absolute 「この麦はとてもいい麦だよ」と教えられる。 何についていいのかよくわからなかったけれど、古い品種だそうだ。 南仏にいたある日、近くの麦畑でのこと。 麦にもいろいろある。小麦、大麦、ライ麦。 そして「藁(わら)」って、よく耳…
「干し草ロール」というらしい。 南仏の道路を走っていると、畑にこんな円筒形のものがたくさん転がっている。 とても牧歌的な風景。 車の窓から思わず写真を撮るが、いつも遅い。 大地が広いからあまり気がつかないが、車は思いのほかスピードが出ているの…
MOUAN SARTOUX にある小さな植物園。 毎年、必ずここを訪れる。 できれば毎日来たいところ。 でも今年は1ヶ月遅かったし、何しろ酷暑の中雨が降らなくて、花も少ないしあまり元気が無い。 そんな中、ミント類はよく咲いている。 これはペニーローヤル。 みん…
滞在中のアルディッシュからほど近く、オランジュという小さな街がある。 ここは1世紀に作られた劇場のある街。 小さな凱旋門と、このローマ劇場が世界遺産で、観光資源となっている。 世界遺産にも登録されたローマ遺跡。 2000年も残っているとは、さすが石…
本当はもう、パリに移動して数日が経っている。 でも、未体験の田舎暮らしは語りたいことが満載。 もっとも感動した場所を締めくくりにしたいと思う。 カントリーハウスから少し車で走ったところに、花崗岩(かこうがん)でできた小さい山がある。 この中腹…
食事はいつもとてもシンプル。 ローカルな野菜と果物、少し高くても安全な食材をほんの少し買う。 加工食品はできるだけ買わない。 味付けもオリーブオイルと塩コショウ、フレッシュなバジルとか。 固いバゲットに、バターかペーストがあればそれを塗る。 昔…
ジュニアが桃を摘みに行くというのでついていった。 家の前の道路をはさんで、果樹園が広がる。 葡萄棚の向こうには、桃の林が幾筋も連なっている。 アプリコットと桃の匂いの違いについて話しながら、 もいで歩けば籠がみるみる桃でいっぱいになった。 そば…
「さとり、悪いニュースだ。我々は月曜日まで電気なしの生活となった」 『えぇ?』口あんぐりの私。 「あの、それは夜は真っ暗ということですか?」 「そうだ、うちはキャンドルならたくさんある」 『ドヒャー!( ゚Д゚)』 キャンドルがたくさんあるとかの問題…
なぜブログがアップできなかったかというと、しばらく電気なしワイファイなしの生活をしていたからである。 週末から7月14日の革命記念日まで、会社も休みだしどこも人でいっぱいだから、家族と一緒にカントリーハウスへ行かないかと誘われて、連れて行って…
ヴァァルボンや、グルドン、ムージャンなど、南仏には小さな村がいくつもいくつもあって、それぞれに可愛らしい。 石造りの淡い色合いが、バラを引き立てている。 歴史的には、海から来る侵略者に対して、砦として生き抜いてきたという厳しい時代があったの…
フランスのポストは黄色。 ブルーのマークが可愛い。 旅先からは、いつもたくさんのハガキを出す。 だから、郵便局は一番最初に場所を覚える。 切手を買うのに並んだりすることが多い。 フランスの公務員はすごくゆっくりだ。 日本の公務員はよくやっている…
毎年来るカンヌの洗濯屋さん。 高級品を扱っている、「マリーとガイのクリーニングショップ」 マダム、暑いとはいえ、ビキニのトップにハイレグ、シースルーのミニスカート。 私より年上だと思うけど、年齢にかかわらず好きなカッコするって、なんか勇気もら…
アトリエから出発するときに、うっかりお気に入りの帽子を忘れてきてしまった。カンヌの強い日差しの中、帽子なしではちと無謀。 そう思って到着翌日の午前中、カンヌブティック街のル・ダンティーブにて帽子屋さんを探す。 「確か、10年以上前にもこのあた…
「ですからね、あっしはもっと早く、たくさん登場するべきだと申し上げたでしょ?」 「なにさ、リクエストがちょっとあったからって、すぐいい気になって」 「南仏便りの人気は、(さとりさまじゃあなくって)あっしのポイントのほうが高いでやしょう?」 「…
そんなわけで、暑い海岸沿いをてくてく歩いてようやくマルシェ(市場)に着いた。 どんなわけかというと、新鮮な野菜とオリーブが買いたかったから。 今日は家に人を招待するので、近所では足りないものを調達しに来たの。 今住んでいるアパートはカンヌのク…
「カンヌでカヌレ」というタイトルは単なる語呂合わせで、カヌレの発祥はフランス・ボルドー。 もとは修道院で作られたものだそうだ。カヌレはすでに日本でもお馴染みのお菓子になっている。 外はかりっと香ばしく、内はしっとりとしてもっちりした食感。 ほ…
午前中だというのに、猛烈な日差しで早くも酷暑。 ビーチにはまだあまり人がいない。 部屋を出て、クロワゼットの海岸沿いを、マルシェに向かってぶらぶら歩く。 炙(あぶ)られるようだ。 樹の下を選んで歩いているが、砂浜は湾にそってカーブしているので…
深夜、ベットの上で、遠く潮騒の音が聞こえる。起き上がりベランダにでれば、昼間の熱気をはらんだまま、海の風が吹きあげてくる。 暗い海を眺めてみる。 昼間の喧噪が去り、海のあたりには船の灯りが浮かぶ、その明かりが遠ざかり、やがて闇に飲まれていく…
私たちは太陽を追いかけているので、いっこうに日が暮れない。 2時間半遅れの出発で、パリにつくのは夜の9時半。あと30分あまりある。 窓からは金色の太陽が、やや下に見える。 機体が傾き、方向が変わる。 空と地平の境は淡くオレンジ色に染まり、水色から…
「12時間(フライト)+3時間(空港)+1.5時間(フライト)の、長い道中で。」 「お互いだんだん、遠い旅はしんどくなるネエ。」 「さとりさまは後ろでふんぞり返ってるだけだからいいケド」 「これで何かと気を張っているのさ。せいぜい励んでおくれ」 レッ…