パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

南仏のカントリーハウス④ Country life Ardèche

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食事はいつもとてもシンプル。
ローカルな野菜と果物、少し高くても安全な食材をほんの少し買う。
加工食品はできるだけ買わない。


味付けもオリーブオイルと塩コショウ、フレッシュなバジルとか。
固いバゲットに、バターかペーストがあればそれを塗る。

昔は日本でも、お昼はごはんと味噌汁ともぎたてのきゅうりに味噌、なんて食事だったもの。

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もっとも暑い時間はあまりできることがないので、家の中で本を読んだりしてすごす。
部屋数が多く広いし、蝉しぐれ以外は静かなので、みんなどこで何をしているかあまりわからない。

わたしは靴を脱ぎ、滑らかな石の廊下を、足音をひそめて歩く。
猫は一番涼しい場所を知っているというが、北向きの二つ目のリビングで本を読む。

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夕方、近所までドライブに連れて行ってもらうこともある。
車を動かす間は、交代でワイファイやスマホの充電をする。
村まで行けば、少しの間ネットがつながる。

私の持っている電気製品は、ノートパソコン、スマホ、ワイファイ、デジカメ。
カントリーハウスについたら充電するつもりで、ほぼ空の状態である。
最初にバッテリーが無くなったのがワイファイなので、メールもラインもフェイスブックもできないから、外部との連絡が取れない。

スマホも次に電池がなくなり電話もかけられず、もともと時差があるので日本とも連絡が取りにくいのだが、まったく通信手段を失ってしまった。

それでもスタッフのおかげでアトリエは動いている。
もしかして、私がいないほうがスムーズだったりして?

すると、本当にいままでなんで忙しかったのかな。

早朝から深夜まで、次から次へとやることが押し寄せて、寝てからも夢に仕事が入り込む。
目が覚めて、また一日が始まる。
タブレットを始めた数年前から、酷くなったような気がする。


漆黒の闇、というのは久しぶりだ。
東京では全部の電気を消していても、どこからか光が入って来て、目が慣れればうっすらと見えるものだけれど。

ここでは仕事の夢をみない。朝は鳥の声で目が覚める。

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もともと、小さい頃から一人で遊ぶのは得意なので、こういう時間は苦痛ではない。

今日は風があるから、リンデンの木の下で、住んでいる家のスケッチをすることにした。
HBの消しゴム付き鉛筆を借りて、間に合わせのノートに描く。

本当に久しぶりなので難しいな。こういうものは毎日描いていないと、線がまっすぐ描けない。
なんでもそうだ。

鉛筆を動かしていると、頭の中に沸々とこだましていた雑念が徐々に鎮まって、気が付けば家だけを見ている。

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どうしても見えているところを先に描きたくなる。

当然、ディテールの美しさにひかれて描き始めるのだけれども、その飾りの背後にある、立体を正しく理解しないとヘンテコになってしまう。

建物の色の濃淡と、光と影、からまるツタと藤蔓に幻惑される。
ちゃんとデッサンを学んだ人には簡単で当たり前のことだろうけれども、家が複数の立方体と、三角柱の組み合わせでできているということが、ぱっと見にわかりにくい。

1階と2階の柱が通っていなかったり、実際の屋根が下がっているからといって、軒は下に来ているのかと思えば、構図上は上がっていることもある。

デッサンはロジカルで、描いて見ておかしいと思ったら、それは骨格が歪んでいる。

暮らしている中でも、言動や状況に違和感を感じたら、それは何かが歪んでいるのである。

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この棟の右、ちょっと開いている2階の窓が私のいるお部屋。

ほんの1枚と思っていたのが、思いのほか夢中になって、北側、南側など場所を移動しながら3枚ほどスケッチしたところで、電気の修理の人が来たようだ。
夜になる前でよかった。


電気が来た!
ライトがついて、すごくうれしい。お湯も出る。
とても便利だし、安心。
短い数日間だったけど、当たり前の生活に感謝をする。



でも、電気なしの生活も楽しかったけれどね。









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