あの日私は水辺におり
明るい日差しの中にただよっていた
そしてその朝、同じ時間にこのカエデの下を通ったのだ
こんなふうに、葉に緑の光がこぼれて
でもそれは似ているけど同様ではない。
葉の色も、形も、光のさし加減まで、そっくり同じ
しかし歯車を戻してみても
その時にいた風は去ってしまい
木も草も鳥も虫も、まったく違っているだろう
1時間、1日、1週間。
時間は容赦なく今と過去をへだてる
一刻一刻、太陽が進むにつれて
光は陰になり影は光になる
今日には今日の景色
今には今の・・・
見つけたと思ったらそこには幻がおり
ため息をついたので私は首をすくめた
暖かな朽ちた葉の下には、柔らかい息吹が眠っている
変化は終わりではなく
きっと善きことにつながる
のだと信じ・・・信じて・・・。