2011-07-04 雨のにおい photo poem/写真詩 香りの花図鑑 ・新宿御苑 季節ごとにやってくる雨には、季節ごとのにおいがする。 夕べの雨でうっすらともやのかかった新宿御苑。 空気中の湿度が飽和状態になって、水滴がにじみ出てくる梅雨のあめ。 雨は、茂りゆく樹にも、芝にも、池にも降り注ぎ、しばしとどまり、また空気の中へと戻ってくる。 蒸れた夏草のにおい。湿った藁のにおい。金魚鉢の水のにおい。 とおい、クチナシのにおい。 においは、雨の旅の記憶を連れてくる。 目をつぶって私もあめのひとつぶになる。