パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

雨のにおい

 

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季節ごとにやってくる雨には、季節ごとのにおいがする。

夕べの雨でうっすらともやのかかった新宿御苑

 

空気中の湿度が飽和状態になって、水滴がにじみ出てくる梅雨のあめ。

雨は、茂りゆく樹にも、芝にも、池にも降り注ぎ、
しばしとどまり、また空気の中へと戻ってくる。

 

蒸れた夏草のにおい。
湿った藁のにおい。
金魚鉢の水のにおい。

とおい、クチナシのにおい。

 

においは、雨の旅の記憶を連れてくる。

目をつぶって私もあめのひとつぶになる。

 

 

 

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