パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

夜明け

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たとえば車内から景色を見ていると、近くのものほど早く流れ去っていく。

 

 

毎日がめまぐるしく過ぎていく。
心のまんなかが為すすべもなく取り残され、
遠ざかるうわべだけの後ろ姿を茫然と見送る。

 

 

あるひ、誰かが私をそっと呼びにくる。
よりそい、何も言わず、ただそこにいるのを教えてくれる。

私は少し泣き、やがて静かに泣く。

 

はるか遠くに目をやると、空はひとつも動かない。
ただ、夜が明けていくのが見える 

ゆっくりと。

 

 

 

 

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