からまつの林を過ぎて、
からまつをしみじみと見き。
からまつはさびしかりけり。
たびゆくはさびしかりけり
有名な北原白秋の「落葉松」(からまつ)である。
これは、晩秋の寂しさを書いた詩だが
まだ葉が出たばかりの姿はとてもかわいらしい。
紀尾井坂からすっと入ったホテルの入口すぐ横に藍亭はある。
大きな甕(かめ)にざっくりと活けた落葉松が
玄関口に飾られていたのがとてもよかったので
ここ、アトリエにも活けてみた。
からまつは、松(針葉樹)なのに落葉する。
落葉するから、芽吹きがある。
新緑が、若々しさや、
これから伸びていく期待を感じさせる。
初夏のからまつは、さびしからずや。