1995年。香料会社で働きはじめたM子さんは、あるパーティーで出会った男性がつけていた香水にハッとする。
当時まだ、日本では売られていなかったカルバンクライン CK one (シーケーワン)は、彼女の勤めていたスイスの香料会社が手掛けた香りだった。
思わず、「それ、シーケーワンじゃないですか?」と声をかけると、彼はびっくり。
「えー!なんでわかったんですか?」
彼が付けていた香水はニューヨークで買った、しかも日本未発売のもの。
即座にあてた彼女は、彼にとって印象に残る特別な女性となった。
なんておしゃれなんでしょう・・・。
その後二人はめでたくゴールイン。
一つの香水が結びつけた、すてきなロマンス。
この主人公のM子さんは結婚後その会社を退社して家庭に入り、今は私の会社の仕事を手伝っている。
先日、授業でカルバンクラインの香りを講義しているときに彼女から聞いた話だ。
生徒さんたちはそのエピソードに超うっとり~。
「シー・ケ・ーワン」はカルバンクラインでもとくに日本で成功した香水である。
シトラスの新しいタイプで、グレープフルーツから始まり、ちょっぴりミュゲのフローラルと、ムスクのラストノートはしっかりと作られている。
さらっとさわやかな香りは男女でシェアできる、ユニセックスフレグランスの先駆けだ。
ボトルは焼酎の「いいちこ」のデザインを取り入れ、フロスト(すりガラス加工)加工と丸い肩が親しみやすい。
カルバンクラインはエポックメイキングの香りをいくつも作っている。
オブセッションはいい。エタニティ、エスケープ・・・この辺りまでは非常にいい。
コントラディクションよりも前に出した香水たち。
いい香水は、心に残るエピソードをたくさん作りながらベストセラーになる。
カルバンクライン Ck one
発売年:1994年
調香師:アルベルト・モリヤス&ハリ-フレモント(フィルメニッヒ)