パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

こぼれ松葉 佐藤春夫 Haruo Sato

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 「海べの恋」 佐藤春夫


こぼれ松葉をかきあつめ  をとめのごとき君なりき、 こぼれ松葉に火をはなち  わらべのごときわれなりき。


小学6年生の頃、詩を書いたり観賞する詩集クラブというのを作っていた。

小学校当時、この詩は初恋のような淡い気持ちを歌ったものものだと思い、ノートに書き写していたものだ。

しかし高校生になって、もっと情念のこもったものだという背景を知った。

 

佐藤春夫谷崎潤一郎の妻と恋に落ち、のちに結婚したものである。

 

いわゆる不倫と略奪婚になるのだが、これは谷崎が別の女性と結婚したいがため春夫に押し付けたのだとか、この「谷崎周辺の一連の情事」は、人間性と文学作品まとめて穢(けが)らわしいものと感じられたので、長く遠ざけることとなり谷崎文学を読むことはなかった。

 

だがなんだって本当のことなど、だれもわかりはしないものだ。
少しは大人になり、文学作品ではないが「陰翳礼賛」や「文章読本」など、谷崎の書いたものも読むようになった。

 

私の子供時代の読書のことは4年前に書いている。

➤2009年6月22日 秋の日のヴィオロンの/ヴェルレーヌ

本質的なところはませた子供の時とあまり変わっていないので、今となっては「おとなこども」というところ。

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花の多い時期はそちらに気を取られ、松の緑をあえて撮ろうとは思わないのだが、冬枯れの中では美しい緑が鮮やかに見える。

過去の写真フォルダを見ると、1月に松の写真が多いのはそういうわけなのだろう。

 

 

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