つやのある緑の照り葉に、白い5弁長いしべをもつ花が次々に咲く。初夏から長く楽しめる庭木だ。
梅雨の合間、雨上がりに樹間を散策すると、白い「木の花」たちが夏の訪れを予感させる。この時期は、ウツギとかエゴノキとか、緑の葉を背景に白い花が色々咲いていて涼しげな感じだ。
白い梅の花のようだから、銀の梅の花、という。でもギンバイカというより、マートルとかミルテの発音が私には口触りがよい。
マートルはユーカリと同じ「フトモモ科」の植物。葉を蒸留して香料を採る。ユーカリの匂いは強くクールな感じだが、マートルは甘さとフローラル感がある。アロマセラピーなどにはユーカリよりやわらかく、単品で使いやすい。
もちろん、香水の原料としても使われる。
最近では、「祝いの木」としてお花屋さんでも見られるようだ。イギリスでは結婚式のリースにこの小枝が使われたからと言われている。
▶ 花事典 ギンバイカ:フトモモ科 ギンバイカ属 学名:Myrtus communis