パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

オードリーヘップバーン ランテルディ 1957 ジバンシー(L'Interdit GIVENCHY)

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<L'INTERDIT 1957>
ユベール・ド・ジバンシーは、ジャックファット、ロベール・ピゲ、スキャパレリで修行をしたあと1952年に独立、24歳にして「モードの神童」とよばれました。1959年にジョルジュサンクにお店を移転。オードリー・へップバーンの映画衣装を担当し、友人としても長く付き合いました。

ランテルディは「禁止」という意味です。この香水は、ジバンシーがオードリーのために作った香水なので、彼女はふざけて「私以外の人に売ってはダメよ」と言ったことからネーミングされたという逸話があります。

フローラルアルデヒドの優しく上品な香りは、オードリーのイメージにぴったりです。(でも、彼女の清純なイメージというより香りはやや大人っぽいかも?)

オードリーはやがて映画の一線から退き、つつましく生活をしていました。
友人から「あなたなら彼が洋服を無料で作ってくれるわよ」と言われた時、オードリーは「ユベールは私の映画をお金を払って見に来てくれるのだから、私もちゃんとお支払できなければ作れないわ」と話したそうです。

年を取ってから、アフリカの貧しい子供たちのためにユニセフの活動に協力しました。

 

 

数年前、ランテルディは復刻版として記念日に限定発売された。アンティークのものと比べて、なんだか今風に薄まってしまった。

おしなべてクラシックな香りは今では重たくて、若い人が普段に使うのはつらいのかもしれない。

しかし、あくまで例えだが、

①昔の恋人に30年ぶりに会ったら、若づくりしてきてがっかりしたとか。
②100%ジュースが濃いからと言って、軽くするために水で薄めたら大事なうまみも薄まってしまった、というような・・・?

香水のリニューアルは往々にしてそういうことが多い。くどいようだが、例えが適当かどうかわからない。(香水を水で薄めたという意味ではありません)

それだったら、全然別のものを新しく作ったらいいのに。
でも知名度があるから、新たに宣伝費をかけなくていいというのはビジネス的に魅力なのだろう。

オードリーは本当に可愛くって、素敵。「ローマの休日」も、「ティファニーで朝食を」も。どれも好き。でも、私にとっては「マイフェアレディ」が一番かな。謁見のシーンの彼女は、輝くように美しい。
生涯を通じて生き方に芯があって、人間的にも素晴らしいひと。



 

写真はすべてパルファンサトリの所贓品です。
 

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