檸檬、レモンの花は5弁。
ツボミは淡いピンク色で、開くと白い。
昔、家に小さなレモンの植木鉢を買ってきたときは、もっと小さな花で、臙脂色のつぼみだったような気がするが、これはかなり立派だ。
種類が違うのか、温室で環境がいいせいだろうか。
柑橘(かんきつ)の花の香りは、さわやかなのにオリエンタル。
甘く煙るようなアンダートーン。
メチアン(と普段は縮めて呼ぶ)Methyl Anthranilate は、紫色のブドウの匂いでもある。
こっくりしたホワイトフローラルの花の香りにもよくみられる。
こっくりしたホワイトフローラルの花の香りにもよくみられる。
オリエンタルの中の、ホワイトフローラル調の、オレンジフラワーの、メチルアンスラニレート。
エスニック料理の中の、カレーの中の、スパイシーなフェヌグリークの匂い、とか、
オーケストラの中の、弦楽器の中の、ヴィオラの奏でるハ音(130.81278265Hz)とか?
というように、大きなグループの中の、中分類の中の、最終的には単品香料にいきついて、ピンポイントでわかることと、香調をつかむことができる。
そのためには、いずれ単品香料を知らなければならない。
温度さえ合えば、一年中花が咲き、したがって花と実も一緒に見られるのが柑橘である。
小さなピンポン玉くらいの大きさだけど、一人前にラクビーボールの形をしている。
Mignon'Johann Wolfgang von Goethe
君知るや南の国
レモンの木は花咲き くらき林の中に
こがね色したる柑子は枝もたわわに実り
青き晴れたる空より しづやかに風吹き
ミルテの木はしづかに ラウレルの木は高く
雲にそびえて立てる国や 彼方へ
君とともに ゆかまし
(森鴎外 : 訳)
レモンの木は花咲き くらき林の中に
こがね色したる柑子は枝もたわわに実り
青き晴れたる空より しづやかに風吹き
ミルテの木はしづかに ラウレルの木は高く
雲にそびえて立てる国や 彼方へ
君とともに ゆかまし
(森鴎外 : 訳)