パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

ブルーチーズとハニー 「レストラン カー・ウント・カー」

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アミューズと食前酒が、香水におけるトップノートだとしたら、
食後のチーズはミドルが終わりラストノートへと遷ろう、まったりとした大人のお楽しみタイムかもしれない。

 

 

とりわけ、ブルーチーズと赤ワインときたら、ひごろ清廉を心がける私の仮面をかなぐり捨てさせる、魅惑的な悪い男のようである。(ウソウソ)

 

ついはしゃいで、陳腐な説明でごめんなさい。

この「クラッハー・グランド クリュ」の一皿は、お店のお嬢さんの説明を聞くほどに、「はやく食べさせてー」とウキウキしてしまう♡

 

「さとりさん、お仕事の話を先に済ませようと思ったのですが、
チーズ来ちゃいましたから、デザートの時にしましょう。」

「ハイハイ、ゴメンナサイねー。」 

 

 

 

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これは貴腐ワインをしみこませ、ゆっくり浸透させて熟成を重ねたオーストリアのブルーチーズ。

切り分けずに、ヘラで掻き取るようにすくう。
「空気を含ませることにより、菌の繁殖をよりまろやかにするため」って、教えていただいたと思うのだけれど、ほろ酔いだったので、記憶が正しいかしら・・・?

合わせるのは、これもオーストリアの黒いハニー。針葉樹の樹液を含み、濃厚で香り高い。


チーズの力強さをしっかりと受け止めるだけのコクがあって、
これが普通の蜂蜜では負けてしまうところ。

両者をちょっぴりのパンにつけて、塩気と甘味と、菌類特有の揮発刺激臭が口の中に広がったところで、ワインをグビ・・・・。
『ああー、やられたー。。。。』

 

 

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銀座線溜池山王駅から徒歩5分。
夜になっても熱気が押し包む裏道りから、
一歩店内に入ると別世界の様なクールなインテリア。

レストラン カー・ウント・カーは、オーストリア国家公認のコンディト-ル・マイスターKayanuma氏のお店。
マダムも大変エレガントな方で、お二人に、地下にあるワインセラーも案内して戴いた。

 

正統派のオーストリア料理を戴くのは初めてだ。
(ヨーロッパ料理なら何でも出してるようなお店の、ゲシュニッツェルくらいしかしらなかった。)


ドイツに近い質実なメニューを想像していたが、
よく考えればハプスブルグ家の宮廷華やかなりし歴史を持つだけあって洗練されているのは当然か。

フレンチの様な華やかさはないが、ハーブの取り合わせや軽めのソースなどよく吟味され、大地の味を堪能できる。
むしろ日本の方にはくどすぎず、お口に合うのではないかと感じた。

 

 

 

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お店の写真はカタログから

 

 

 

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